新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、
当初予定していた3月7日からの開催が見合わされていた展覧会、
“深井隆 -物語の庭-” が、3月14日に板橋区立美術館にて無事に開幕いたしました。
こちらは、日本を代表する現代彫刻家の一人で、
2018年まで母校である藝大で彫刻科の指導に当たっていた深井隆さんの個展です。
90年代の作品から未発表の新作まで、30点ほどが紹介されています。
深井さんといえば、翼のある椅子。
あるいは、深井さんといえば、馬。
もちろん、それらの作品も展示されています。
初めて出合う作品であるはずなのに、
遠い昔に、一度ならず目にしたことがあるような。
それは、いつか夢の中で見た情景だったかもしれませんし、
いつか絵本や物語を読んで思い浮かべた情景だったかもしれません。
作品と向き合った際に、一瞬にして、どこか懐かしい気持ちを覚える。
それが、深井隆ワールドです。
どの作品も、心にじんわりと染み込みましたが、
特に印象的だったのが、《幻想の闇より》 と名付けられた作品です。
パッと見た瞬間、拷問の一種か何かなのかと思いました。
あるいは、全体的には、虫のようにも見えます。
虫とベッドから連想して、カフカの 『変身』 の冒頭、
「朝起きたら、いきなり毒虫になっていた」 が頭に浮かびました。
どちらにせよ、あまり心地の良いものではありません。
ところが、ちゃんと向き合ってみると、
不思議なことに、そこまで不穏な印象は受けませんでした。
どうやらこちらの作品は、天から降り注ぐ光を表しているのだそう。
むしろ祝祭感の溢れる作品でした。
また、新作の 《青空―2020》 も印象深いものがある作品でした。
これまでの深井作品に登場する翼の色は、
金や銀が多かったのですが、今回の翼の色は青。
目に飛び込んできた瞬間に、まずワシのマークの大正製薬を連想してしまいました (笑)
その後、しばらく眺めていたら、鯨の尾っぽのようにも見えてきました。
もしかしたら、この床の下に巨大な鯨が泳いでいるのかも。
思わず、そんな妄想が頭をよぎる作品でした。
ちなみに。
新作といえば、2頭の馬が仲良く向き合った 《対話》 も印象的。
こちらは、土台となる部分には他の作品同様に、
楠が使われていますが、馬に関しては陶で制作されているそうです。
なお、作品が設置されているクラシカルなキャビネットは、
普段は、板橋区立美術館の1階で、チラシ置きとして使われているとのこと。
このキャビネットに前々から目を付けていたという深井さんたっての希望で、
今回は2階の展示室で、作品を置くための展示台として活用されているのだそうです。
板橋区立美術館には何度も足を運んでいる僕ですが、
このキャビネットに関しては、全くのノーマークでした。
そんな板橋区立美術館を知り尽くした深井さんが、
作品の選定から配置までディレクションした今回の展覧会。
これ以上無いくらいに、作品と空間がマッチしていました。
というか、作品と床が一体化していました。
もはやこの展覧会のために、
板張りの床にリニューアルしたのかと思ってしまったほど。
(リニューアル前は、グレーの絨毯が敷かれていました)
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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当初予定していた3月7日からの開催が見合わされていた展覧会、
“深井隆 -物語の庭-” が、3月14日に板橋区立美術館にて無事に開幕いたしました。
こちらは、日本を代表する現代彫刻家の一人で、
2018年まで母校である藝大で彫刻科の指導に当たっていた深井隆さんの個展です。
90年代の作品から未発表の新作まで、30点ほどが紹介されています。
深井さんといえば、翼のある椅子。
あるいは、深井さんといえば、馬。
もちろん、それらの作品も展示されています。
初めて出合う作品であるはずなのに、
遠い昔に、一度ならず目にしたことがあるような。
それは、いつか夢の中で見た情景だったかもしれませんし、
いつか絵本や物語を読んで思い浮かべた情景だったかもしれません。
作品と向き合った際に、一瞬にして、どこか懐かしい気持ちを覚える。
それが、深井隆ワールドです。
どの作品も、心にじんわりと染み込みましたが、
特に印象的だったのが、《幻想の闇より》 と名付けられた作品です。
パッと見た瞬間、拷問の一種か何かなのかと思いました。
あるいは、全体的には、虫のようにも見えます。
虫とベッドから連想して、カフカの 『変身』 の冒頭、
「朝起きたら、いきなり毒虫になっていた」 が頭に浮かびました。
どちらにせよ、あまり心地の良いものではありません。
ところが、ちゃんと向き合ってみると、
不思議なことに、そこまで不穏な印象は受けませんでした。
どうやらこちらの作品は、天から降り注ぐ光を表しているのだそう。
むしろ祝祭感の溢れる作品でした。
また、新作の 《青空―2020》 も印象深いものがある作品でした。
これまでの深井作品に登場する翼の色は、
金や銀が多かったのですが、今回の翼の色は青。
目に飛び込んできた瞬間に、まずワシのマークの大正製薬を連想してしまいました (笑)
その後、しばらく眺めていたら、鯨の尾っぽのようにも見えてきました。
もしかしたら、この床の下に巨大な鯨が泳いでいるのかも。
思わず、そんな妄想が頭をよぎる作品でした。
ちなみに。
新作といえば、2頭の馬が仲良く向き合った 《対話》 も印象的。
こちらは、土台となる部分には他の作品同様に、
楠が使われていますが、馬に関しては陶で制作されているそうです。
なお、作品が設置されているクラシカルなキャビネットは、
普段は、板橋区立美術館の1階で、チラシ置きとして使われているとのこと。
このキャビネットに前々から目を付けていたという深井さんたっての希望で、
今回は2階の展示室で、作品を置くための展示台として活用されているのだそうです。
板橋区立美術館には何度も足を運んでいる僕ですが、
このキャビネットに関しては、全くのノーマークでした。
そんな板橋区立美術館を知り尽くした深井さんが、
作品の選定から配置までディレクションした今回の展覧会。
これ以上無いくらいに、作品と空間がマッチしていました。
というか、作品と床が一体化していました。
もはやこの展覧会のために、
板張りの床にリニューアルしたのかと思ってしまったほど。
(リニューアル前は、グレーの絨毯が敷かれていました)
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