立川駅北口にオープンした複合施設GREEN SPRINGS。
その施設内に、 PLAY! MUSEUMが誕生したことは、昨日と一昨日の記事でお伝えしましたが。
実は、GREEN SPRINGS内には、もう1つ新たな美術館がオープンしています。
それが、こちらのたましん美術館。
“たましん” こと多摩信用金庫が収集してきた美術品を紹介する美術館です。
昭和49年、立川駅近くにあった本店ビル内に、
たましん美術館の前身となるたましん展示室が開設されました。
(昭和57年に、たましんギャラリーへと改名)
昨年、たましんギャラリーと、分館として平成5年に誕生したたましん御岳美術館が閉館。
その2つの館の遺伝子 (?) を受け継いだのが、たましん美術館なのです。
そんなたましん美術館のオープニグを飾るのが、
“たまびらき―たましんの日本近代美術コレクション―” という展覧会。
近代洋画や多摩地域の作家作品を中心に、
たましん美術館が所蔵する約5000点のコレクションの中から、
岸田劉生の 《初冬の田畑》 や、
荻原守衛(碌山) の 《女》 など、
明治時代以降の洋画や彫刻の名品の数々を紹介する展覧会です。
それらの中には、重要文化財に指定されている浅井忠の 《収穫》 の習作や、
アーティゾン美術館が所蔵する藤島武二の 《屋島よりの遠望》 と構図がほぼ同じ作品も。
他にも、藤田嗣治や熊谷守一、岡田三郎助、高村光太郎など、
近代日本美術を代表する画家や彫刻家の作品が出展されています。
想像以上に立派なコレクションでした。
正直なところ、東京都下にあるし、名前がひらがなだし、
たましん美術館コレクションを若干舐めていた感は否めません。
今日の今日まで、完全に侮っていました。
反省も反省です。(多摩の皆さま、ゴメンナサイ!)
展示室がそこまで広くなく、出展作品が20点ほどだったのが、やや寂しかったですが。
今後はちゃんと、たましん美術館にも注目していきたいと思います。
さてさて。
今回の出展作品の中で印象的だったのが、安井曾太郎の 《裸婦》 という作品。
裸の女性よりも、ついついガスストーブのほうに目が行ってしまいます。
女性とストーブとの距離が、わりかし近いような。
身体が熱くなってしまわないか、甚だ心配です。
もう少し離してあげればいいのに。
もしくは、この距離にストーブを置かないといけないくらいに、この部屋が寒いのかも。
顔色を変えずにモデルをつとめる女性のプロ根性に頭が下がる思いです。
それと、もう一つ印象的だった作品が、斎藤与里の 《蓮》 という一枚。
蓮もサギも人も月も、総じてユルい。
観れば観るほど、なんかホッコリするものがあります。
じーっと向き合っていると、市原悦子のナレーションが聞こえてくるようです。
ちなみに、たましん美術館の入口には、
現代アーティストの長谷川仁さんの作品が設置されていました。
蜂の巣をモチーフにした作品とのこと。
よく見れば、一番上に蜂が乗っています。
内部に座って見上げると、そこには様々な生き物たちが!
これらはすべて、多摩に棲む生物なのだそうです。
なお、タイトルは 《たまりば》。
“多摩の人々が集まる場” になることを願って名付けたのだそう。
多摩の人ではないのに座ってしまいました。