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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ゲストキュレーターへの道 #1

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今から遡ること約4ヶ月前。

以前お仕事でご一緒した富山県美術館の学芸員、E藤さんより一通のメールが届きました。

 

「ご無沙汰しております。お元気でしょうか?

 今回も是非とに~さんにお願いしたいことがあり、メッセージを送信させていただきます。

 富山県美術館では、今年の9月から11月にかけて、

 収蔵品のベスト版的な展覧会の開催を計画しております。

 いわゆるコレクション展なのですが、ただ作品を並べるだけではなく、

 多方面で活躍される方にお声がけし、作品とのコラボレーションを行い、

 作品の新たな見方や鑑賞の楽しさを発見していただきたいと検討しております。

 そこで、ぜひとに~さんにも参加作家の一人として、展覧会に関わっていただきたいのです。

 

  『ここにしかない美術室』 のコンテンツを立体的に展示室に展開するイメージです。

 是非とに~さんにご参加いただきたく強く願っています。」

 

 

 

 

これまでたくさんの展覧会を観てきましたが。

 

自分が観る側でなく、

出展する側の人間になる日が来ようとは!!

 

 

予想だにしなかったまさかのオファーに、衝撃が走りました。

 

・・・・・とはいえ。

“『ここにしかない美術室』 のコンテンツを、

立体的に展示室に展開するイメージ” の意味が、イマイチよくわかりません (笑)

そこで、3月某日、E藤さんと直接お会いして、改めてオファーの内容を伺うことに。

 

E藤さん曰く、富山県美術館のコレクションの中から、

僕が注目する、あるいはツッコミを入れたい作品を選んで欲しいとのこと。

そして、僕が提案する面白い鑑賞方法をディスプレイで作成し、作品と一緒に展示したいとのこと。

例えば、 『おばちゃんファッションぽい作品』 のネタのように、

 

 


服のシルエットを型抜きした紙を、実際の造作として作ってみて作品と共に展示してみるとか。
また例えば、『名画IPPONグランプリ』 のように、

 

 

 

富山県美術館のコレクションに対して、

小学生たちが考えたオモシロ回答を出力し壁面に貼るとか。

とにかく、僕が面白いと思うものを自由にやってもらいたいとのことでした。

 

 

身に余る光栄であると同時に。

これまで、さんざん “もっとこういう風に展示したら面白いのにー” だとか、

“僕だったら、こんな風に展示するね” だとか、好き勝手ほざいてきただけに、プレッシャーもひとしお。

しかし、こんなチャンスは最初で最後だと思うので、

「全力でやらせて頂きます!」 とオファーを引き受けることにしました。

 

 

というわけで、まずは作品の調査に。

E藤さんと日程を調整して、富山県美術館を訪れる日を4月8日に決めました。

 

 

・・・・・・・・・・が、しかし。

その前日4月7日に、緊急事態宣言が発令されました。

当然、富山県美術館での調査は中止に。

それどころか、展覧会そのものも中止となる可能性が浮上しました。

どうする?どうなる?僕のゲストキュレーターデビューは??

 

 

それから約1ヶ月半後。

緊急事態宣言が解除されたことを受けて、

E藤さんより、展覧会が予定通り開催される運びとなったとの連絡がありました。

県外への移動自粛が解除される6月19日以降に、

改めて富山県美術館に調査に来て頂きたいとのこと。

 

 

そこで、6月26日に、数ヶ月ぶりに東京を飛び出し、富山県美術館を訪れました。

 

 

 

E藤さんや館長を含め、富山県美術館の皆さまと挨拶を交わした後、

シュルレアリスムの作品を中心に、富山県美術館コレクションの数々を見せて頂くことに。

どの作品をチョイスしようか。

展覧会で作品を観るのとは違って、いつになく真剣に作品と向き合いました。

 

そして、その後は、会場となる予定の展示室へ。

 

 

 

事前に、今回の展覧会で、僕に与えられるスペースは10×10mと聞かされていましたが。

実際にそのスペースを目にしてみると、

イメージしていた以上の広さがありました。

この空間を埋めるのですね。

しかも、面白く。

これは間違いなく、アートテラー史上、最も難易度の高いオファーです。

 

 

一通り、調査を終えた後、E藤さんに、

なんとなく思い付いた展示プランを伝えてみました。

 

「美術館で×××をやったら、面白くないですか??」

「マティスの切り絵のシリーズを使って、○○○のパロディをやってみたいのですが」

「あと、△△△の作品を□□□で売ってるものと一緒に並べて展示してみるのはどうでしょう?」

 

どれも無茶ぶりに近い提案なので、一笑に付されるかと思いきや。

 

「どれも面白そうですね。やりましょう!」

 

とのこと。

えっ、美術館でそれやっちゃうの?!

提案した自分が一番ビックリしています (笑)

 

 

さてさて、ゲストキュレーターへの道はまだまだ1歩を踏み出したばかり。

ここから実現に向けて、具体的にいろいろ動いていきます。

果たして、どんな展示になるのか?

ハプニングなく、無事に開幕まで辿り着けるのか?

今後、定期的に 『ゲストキュレーターへの道』 をお送りいたします。

乞うご期待!

 

 

“TADのベスト版 コレクション+(ぷらす)”

2020年9月19日(土)~11月3日(火・祝)

 

 

 

 

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