Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

エントリーNo.0007 ぽっぷ(ウォーホル リキテンスタイン)

$
0
0

もしも、芸術家たちが漫才をしたら・・・

こんな感じのネタを披露するのかもしれません。
それでは、皆様、どうぞ芸術漫才をお楽しみください!

 

 

 

ウォーホル 「ロンリネス。ロンリネス。どうもありがとう。ありがとう。

        自己紹介します!俺の名は、ふぁンディ・ふぉーホル [1]。ひゅ~♪決まった!

        どうもありがとう。そして、こちらが・・・・・」

 

リキテンスタイン 「どーもー!ぽっぷのリキテンシュペイン [2] でーす。お願いしまーす!」

 

ウォーホル 「いや、そんな名前じゃねーだろ!

        ・・・・・・・とも言い切れない!

        誰だって改名する権利はある。そうだろ?

        そういう俺の本名は、アンドリュー・ウォーホラだ」

 

リキテンスタイン 「僕は別に改名してないよ。そういうボケ」

 

ウォーホル 「何だよその小さいボケ!

        ・・・・っていうけど、ボケに小さいも大きいもなかった!

        そう。事件に小さいも大きいもないように」

 

リキテンスタイン 「突然なんだけどさ」

 

ウォーホル 「あー、何だ?」

 

リキテンスタイン 「アーティストになってみたいんだよね」

 

ウォーホル 「ひゅ~♪アーティストか。いいじゃないか」

 

リキテンスタイン 「じゃあ、絵画教室の生徒やるから、絵画教室やって」

 

ウォーホル 「いや、どうやって建物をやるんだ・・・・・って、

        チャレンジする前から否定するのはやめよう!

        人間は何にだってなれる。

        もしかしたら、建物にもなれるかもしれない。そうだろ?」

 

リキテンスタイン 「やっぱり絵画教室の先生をやって」

 

ウォーホル 「悪くないだろう」

 

リキテンスタイン 「先生!今日は何を描いたらいいですか?」

 

ウォーホル 「そうだな。では、そこにある石膏像を描いてみたまえ」

 

リキテンスタイン 「わかりました。痒いのはこの辺りですか?」

 

ウォーホル 「いや、その掻くじゃねーよ!

        ・・・・・って、“描く” も “掻く” も同じイントネーションだ!

        間違える可能性がないとは言い切れない!

        相手を責める前に、自分にも落ち度が無かったか振り返ることは大事だ。

        15分間戻そう [3]

        では、そこにある石膏像をそこのスケッチブックに描いてみたまえ」

 

リキテンスタイン 「難しそうだから、描けません」

 

ウォーホル 「そ、そうか。じゃあ、そこにあるワインボトルを描いてみたまえ」

 

リキテンスタイン 「それも難しそうだから、描けません」

 

ウォーホル 「え?あ?じゃあ、そこにあるリンゴを描いてみたまえ」

 

リキテンスタイン 「リンゴも描けません」

 

ウォーホル 「いや、描けない・・・・・と主張することは大切だ!

        描きたくないものは描かない。そう声を上げることから世界は変わるんだ!

        なら、君は何だったら描けるんだい?」

 

リキテンスタイン 「3次元のものを2次元で描くのは難しいけど、

           もともと2次元のものだったら、描ける気がします」

 

ウォーホル 「なるほど。だったら、ここにある肖像画を模写してみたまえ?」

 

リキテンスタイン 「わかりました。模写してみます。

           サラサラサラサラサラサラ。サラサラサラサラサラサラ」

 

ウォーホル 「今回はやけに筆が進んでるじゃないか」

 

リキテンスタイン 「サラサラサラサラサラサラ。

           レロレロレロレロレロレロレロ。レロレロレロレロレロレロレロ」

 

ウォーホル 「いや、レロレロレロ・・・・・って描いてもいい!

        そういう音が鳴る絵筆があってもいい!」

 

リキテンスタイン 「先生!描けました!」

 

 [4]

 

 

 

ウォーホル 「いや、漫画風になってるじゃないか!

        ・・・・・っていうけど、

     漫画風に描いてはいけないだなんて、誰が決めたんだ!

        アートは 『あつまれ どうぶつの森』 だ。

        何をするのも自由だ。そうだろ?」

 

リキテンスタイン 「じゃあさ、今度は僕が先生やるから、生徒やって」

 

ウォーホル 「俺がアーティストを目指すのか?ひゅ~♪悪くないだろう」

 

リキテンスタイン 「君が今日から、ここで学ぶ生徒か」

 

ウォーホル 「はい!先生、僕はまず何を描いたらいいですか?

        石膏像?ワインボトル?それとも、リンゴですか??」

 

リキテンスタイン 「そうだなぁ。じゃあ、まずはこれをモチーフにしてみたまえ」

 

ウォーホル 「先生。それは?」

 

リキテンスタイン 「さっき食べたキャンベルスープの缶だよ」

 

ウォーホル 「いや、何をモチーフにさせるんだよ!

        ・・・・・・・っていう固定概念は壊そう!

        これまで美術界のモチーフになっていないものを描くなんて、アートじゃないか!

        キャンベルスープの缶は、大量消費の象徴だ。

        それを描くことは、アメリカという社会を描くことに他ならない。そうだろう?

        サラサラサラサラサラサラ。サラサラサラサラサラサラ。

        先生、描けました!」

 



リキテンスタイン 「よし、じゃあ、次はこれをモチーフにしてみたまえ」

 

ウォーホル 「先生、これは?」

 

リキテンスタイン 「僕の好きなマリリン・モンローのブロマイド写真だよ」

 

ウォーホル 「いや、さすがにハリウッド女優を描くのは・・・・・

        ありかもしれない!

        アメリカを代表する彼女を描くことも、やはりアメリカという社会を描くことに他ならない。

        それに、最近亡くなったモンローを題材にしたら、話題になることは確実だ。

        サラサラサラサラサラサラ。サラサラサラサラサラサラ。

        先生、描けました!」

 

 

 

リキテンスタイン 「よし、じゃあ、次はこれをモチーフにしてみたまえ」

 

ウォーホル 「先生、これは?」

 

リキテンスタイン 「さっきそこで買ってきたコカ・コーラの瓶だよ」

 

ウォーホル 「いや、コカ・コーラの瓶・・・・・・・も描いてみよう!

        この国の素晴らしいところは、アメリカは最も裕福な消費者は、

        最も貧しい人と同じ商品を購入するという伝統から始まったことだ。

        みんながテレビを見て、コカ・コーラを見て、大統領がコカ・コーラを飲み、

        リズ・テイラーがコカ・コーラを飲み、そして一般大衆もまたコカ・コーラを飲む。

        コークはコークであり、街の隅っこで浮浪者が飲むコーラより良い味のコーラはない。

        すべてのコークの味は同じで、すべてのコークは素晴らしい。

        そのことは、リズ・テイラーも大統領も、そして、一般大衆も理解しているはずだ [5]

        先生はどう思う?」

 

リキテンスタイン 「うるさいなぁ!」

 

ウォーホル 「先生よりは・・・・・・・うるさい! (←納得)」

 

リキテンスタイン 「てかさぁ。言い忘れてたんだけど、ここ絵画教室じゃないんだよね」

 

ウォーホル 「えっ?じゃあ、何教室なんですか?」

 

リキテンスタイン 「版画教室だよ」

 

ウォーホル 「いい加減・・・・・・・なことなんてない!

        むしろ大量消費を表現するには、版画の方が適している [6]

        どうもありがとうございました。」

 


[1] アンディ・ウォーホル (1928~1987)
ポップアートを代表するアメリカのアーティスト。銀髪のカツラがトレードマーク。

40歳の時に “全男性抹殺団” という物騒にもほどがある名前の団体のメンバーの女性に狙撃された。

58歳で死去。生涯独身だった。

[2] ロイ・リキテンスタイン (1923~1997)
ウォーホルと並んでポップアートの2大巨頭に数えられるアーティスト。

『ライフ』 誌にて、「史上最悪のアメリカ人アーティストだ」 と酷評されたことがある。

[3] ウォーホルは、こんな言葉を残している。

  「将来、15分で誰でも有名人になれるだろう。(In the future, everybody will be famous in 15 minutes .)」

  ちょっと何言ってるかわらかないけど。

[4] ロイ・リキテンスタイン作 《私の夢想につきまとうメロディー 》
  リキテンスタインは、新聞連載の通俗な漫画の1コマを、印刷インクのドットまで含めてに拡大して描いた。

  なお、ドットはすべて手描きである。

[5] 「この国の素晴らしいところは」 から 「そして、一般大衆も理解しているはずだ」 までの長文は、

  ぺこぱの松陰寺太勇感が溢れてますが、実は何を隠そう、一字一句そのままウォーホルの言葉。

[6] アルミホイルと銀色の絵具で覆われたファクトリーと名付けた空間であり、

  あたかも工場で大量生産するかのようにシルクスクリーン作品をスタッフたちに制作させた。




1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles