東京国立博物館の表慶館で開催中の展覧会、
“工藝2020-自然と美のかたち-” に行ってきました。
こちらは、タイトルずばり、工芸をテーマにした展覧会で、
日本を代表する人形作家の一人・奥田小由女さんの 《海から天空へ》 や、
人間国宝の漆芸家・室瀬和美さんによる 《柏葉蒔絵螺鈿六角合子》、
前・東京藝術大学学長で、現在は文化庁長官を務める宮田亮平さんの 《生と静》 を筆頭に、
82名の作家による82作品が紹介されています。
つい先日までパナソニック汐留美術館で開催されていた、
“和巧絶佳展 令和時代の超工芸” がとても面白かったので、
こちらの工芸の展覧会も、かなり期待していたのですが・・・・・
ビックリするほど、刺さらなかったです (笑)
もちろん。出展されていた作品1つ1つは素晴らしかったです。
ただ、何と言っても残念だったのが、作品に添えられたキャプション。
作家や作品名、制作年など、最低限の情報が記載されているだけでした。
作家についての解説もなければ、作品についての解説も一切ありません。
どういう作家が作ったものなのか。
どういう技法で作られたものなのか。
どういう点が評価されているのか。
それらを知るすべが、会場には全くありませんでした。
(ちなみに、HP上には作家本人の言葉が掲載されています。
なぜ、HPのほうが解説が充実しているのだろう??)
そもそも。
どういう理由で、今回の82名がセレクトされたのか。
その辺りもサッパリ分かりませんでした。
60歳以上のベテランだけで構成されているのかと思いきや、
40代の業界的には若手の作家もちらほらセレクトされている様子。
選考基準があいまいです。
また、制作年も2009~2019年と、まちまち。
どうやら今回のために作られた新作というわけではなさそうです。
何をもって、“工藝2020” なのか、結局最後までわからない展覧会でした。
ちなみに。
作家や作品について解説する気はさらさら無い感じでしたが・・・。
「金は永遠に光り輝き、銀は高貴さに輝く」 や、
「水の青は時空を超え、木々と山々の緑は生命を息吹く」 など、
各章のタイトルに関しては、やたらとポエティックでした。
そこは雄弁なんかい (笑)!
それと、展覧会の会場デザインを、
日本を代表する建築家・伊藤豊雄さんが手掛けたのも楽しみの一つだったのですが・・・・・。
何というか・・・・・その・・・・・まぁ・・・・・そこまで新鮮味はなかったです。
強いて言えば、立ち入り禁止の線が、線ではなく点だったのは、新鮮でしたね。
(立ち入り禁止線ではなく) そういう模様なのかと思って、
普通に作品に近づいてしまい、監視員さんに注意されてしまいました。
と、なんだかんだと、書き連ねてはきましたが。
作品に罪は無し!
くどいようですが、作品自体は素晴らしかったです。
ちなみに。
展覧会を観終わった後は、総合文化展へ。
本館に足を踏み入れたところ、多くの方が本館の大階段で記念撮影していました。
間違いなく、『半沢直樹』 の影響death!