■浅田家!
監督:中野量太
原案:浅田政志
出演:二宮和也、妻夫木聡、黒木華、菅田将暉
2020年製作/127分/日本
幼いころ、写真好きの父からカメラを譲ってもらった政志は、昔から写真を撮るのが大好きだった。
そんな彼が、家族全員を巻き込んで、消防士、レーサー、ヒーロー、大食い選手権……。
それぞれが “なりたかった職業”“やってみたかったこと” をテーマにコスプレし、
その姿を撮影したユニークな 《家族写真》 が、なんと写真界の芥川賞・木村伊兵衛写真賞を受賞! 受賞をきっかけに日本中の家族から撮影依頼を受け、
写真家としてようやく軌道に乗り始めたとき、東日本大震災が起こる―― 。
かつて撮影した家族の安否を確かめるために向かった被災地で、
政志が目にしたのは、家族や家を失った人々の姿だった。
(公式HPより)
「写真集の映画化。
僕が知る限り、そんな例はきっと他には無いはず。
ちゃんと映画になるのだろうか?
と、映画が始まるまでは心配していましたが、まったくの杞憂でした。
ちゃんと映画になっていました。
しかも、ちゃんと泣ける映画でした。
アフターコロナになって初めて、映画館で映画を観たのですが。
泣ける映画だと、泣くたびに涙がマスクに染みていくのは困りものですね。
この先しばらく、withコロナが続くと、
『全米が泣いた』 というコピーは、『全米のマスクが濡れた』 になるかもしれませんね。
・・・・・・と、それはさておき。
もとから、浅田さんの写真は好きで、
写真集 『浅田家』 も拝見していたのですが。
まさか消防士になりきった家族写真に、
こんな温かいストーリーが詰まっていただなんて!
今日の今日まで、ただのノリのよい面白家族と思っていて、申し訳ありません (笑)
この映画を観たことで、浅田家および、
『浅田家』 の写真を見る目が確実に変わりました。
ちなみに。
浅田家の写真を観るたびに、長男である僕としては、
弟がこんな写真を撮りたいって提案してきたら、「マジで嫌だわ!」 と常々思っていましたが。
実際の浅田家の長男も、そのように思っていたことを知って、より親近感がわきました (笑)
映画の構成も良かったです。
前半は、浅田政志さんのサクセスストーリーが、
テンポよく、ユニークに描かれ、コメディとして楽しめます。
しかし、東日本大震災が起こってからの後半は、一転してシリアスな展開に。
とはいえ、 前半に蓄えたコメディ貯金 (?) のおかげで、
重苦しい雰囲気に押しつぶされることなく、最後まで見切ることができました。
ラストシーンもお見事!
決して、顔の作りが似ているわけではないのですが、
途中から、二宮君が浅田政志さんにしか見えなくなってきます。
さすがの演技力でした。
同じくらい妻夫木聡さんや黒木華さん、
菅田将暉さんのナチュラルな演技も素晴らしかったですが。
個人的にMVPをあげたいのは、浅田家の母役の風吹ジュンさん。
正直なところ、エンドロールで名前が流れるまで、風吹ジュンさんだとは思ってませんでした。
それくらい、浅田家の母に近づいていました。
キャスト4人が 『浅田家』 の写真を完コピしたしたものが、
エンドロールで次々に映し出されるのですが、母だけは本人かと思ってしまったほどです。
この映画を観ると、無性に家族写真が撮りたくなりますね。
そういえば、何年くらい撮ってないんだろう・・・??
コロナのせいで、なかなか帰省できていませんが、
次に実家に帰る機会があれば、家族写真を撮ろうと思います。
なんかしらのコスプレをして。
(星4つ)
~映画に登場する写真集~