2020年12月17日。
ユネスコの無形文化遺産に、
「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」 が登録されました。
そのグッドタイミングで、東京国立博物館で開催されているのが、
“日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵” という展覧会。
会場は、たてもの自体が重要文化財である表慶館です。
その中に一歩足を踏み入れると、
法隆寺の五重塔や石山寺の多宝塔、
長野県にある日本最古の神明造である仁科神明宮、
銀閣寺こと慈照寺の東求堂や、
織田有楽斎が建てた茶室・如庵など、
国宝や重要文化財の木造建造物の模型の数々が展示されています。
これらの模型は、文化庁が 「模造事業」 として、これまで製作を行ってきたものなのだとか。
1964年の東京オリンピックに併せて、
東京国立博物館で開催された “日本古美術展” のために制作されたものもあれば。
国宝や重要文化財の建造物を修理する際に、
その技法などを検討するために製作されたものもあるのだそう。
それだけに、作りはかなり精巧！
模型というか、10分の1サイズで建てられた建造物そのものといったところです。
なお、スペースの関係で、首里城正殿の模型だけは、平成館に展示されていました。
首里城正殿といえば、真っ赤な外観が目を惹く建造物ですが。
展示されていたのは・・・・・
すっぴんver.（？） の首里城正殿でした。
こうして見てみると、それほど琉球感のある建造物ではないのですね。
ちなみに、2年前に首里城を訪れているのですが、
初の沖縄でテンションがあまりに上がっていたため、正殿を細部まで見た記憶がなく・・・。
入口の階段脇に、こんなPEZ （ペッツ） みたいなのが設置されていたのを見落としていました。
実際に目にしたことがある建造物でも、
模型を観ることで初めて気づくこともあるのですね。
また、模型ならではの楽しみ方には、こんなものも。
展示されていた模型の多くが、切断面が見られるようになっています。
このおかげで、どのような構造なのか、
木材がどのように組まれているかが一目瞭然でした。
国宝の松本城も、ご覧の通りパッカーンしています。
ちょっと前に、SNS上で、サンドイッチやおにぎりなど、
食べ物を切った時の美しい断面に萌える、いわゆる 『萌え断』 が話題になりましたが。
今展を通じて、たてもの版 『萌え断』 が流行るかもしれません。
なお、展覧会は一部を除き、写真撮影がOKとなっています。
SNSに模型の写真をアップする際は、是非、『＃萌え断』 で。
ちなみに。
個人的には、国宝ハンター的には、
今回紹介されていた建造物のほぼ全てを実際に観ていた自分自身に驚きました。
パネルで紹介されていたものも、ほぼほぼコンプリートしていました。
どんだけ日本全国を巡っているんだよ！
と、我ながらビックリ。
オープニングのサザエさんくらいに、
日本各地を巡っている気がします。はい。
なお、紹介されていた建築模型の中で、唯一未訪だったのは、
住宅建築として紹介されていた奈良県にあるという今西家住宅のみ。
（登呂遺跡復元住居と明治度の大嘗宮の再現模型もありましたが、それはさすがに無理なので）
重要文化財なので、国宝ハンター的にはノーマークでしたが、
もし、これを観ていたら、パーフェクト達成だったのに、と思うと悔しくてなりません。
今西家めっ！（←今西家は悪くない）
最後に、余談ですが。
建造物の模型にスポットを当てた展覧会なだけに、
展覧会のグッズコーナーに、建造物のプラモデルや模型が販売されていました。
しかも、わりと高額な。
一体どれくらいの人間が、建造物の模型を観たことによって、
自分で作ってみたくなったり、自分ん家に飾ってみたくなったりするのでしょう？？
売れ行きが非常に気になります。
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