皆さま、あけましておめでとうございます。
本年も、皆様のアートライフに、少しでもお役に立てますよう、
楽しい記事を休まずお届けしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さてさて、2021年も、美術はじめはこちらで。
そう。日本の美の殿堂、東京国立博物館です。
コロナのせいで、獅子舞や和太鼓など、
毎年1月2日3日に開催されていたイベントは、さすがに中止となりましたが。
“博物館に初もうで” に関しては、今年も健在!
今年も、国宝室では長谷川等伯の 《松林図屛風》 が。
本館の3室では、国宝の 『古今和歌集』 が公開されていました。
『芸能人格付けチェック』 に、『相棒スペシャル』 。
そして、 《松林図屛風》 と 『古今和歌集』 を観なければ、1年が始まった気がしません (←?)。
これで今年も無事に年始を迎えることができました。
さて、毎年恒例と言えば、干支をテーマにした特集展示も。
今年の干支は、もちろん牛。
牛が描かれた絵画作品や、
牛をモチーフにした工芸品などが、
本館の特別1室と2室に、ギュウギュウに展示されていました。
それらの展示品に混ざって、
一見、牛とは関係なさそうな国宝の 《片輪車蒔絵螺鈿手箱》 も。
実は、片輪車とは、牛車の車輪を半分描いたもののこと。
残りの半分は水に浸かっている状態です。
大量の車輪がプカプカと・・・・・。
現代の僕らには謎すぎる光景ですが、
牛車が当たり前だった平安時代では、ポピュラーな光景だったそう。
こうして車輪を水に漬けることで、
乾燥して割れてしまうのを防いでいたのだそうです。
牛とは関係なさそうな展示品は、他にも。
重要文化財のこちらの仏像です。
水牛の上に乗る焔摩天や、
悟りにいたる10段階を牛に例える 「十牛図」 など、
意外にも、牛との繋がりがいろいろとある仏教。
しかし、先ほどの仏像には、
牛の要素はどこにも見当たりません。
実は、こちらの仏像は善光寺の秘仏本尊を模した像なのだそう。
善光寺と言えば、そう、あのことわざでお馴染みですね。
牛に引かれて善光寺参り。
このことわざには、こんな由来があります。
昔々、信濃の国に、強欲なおばあさんが住んでいたそうな。
ある日、そのおばあさんが布を干していると、
いきなり牛が現れ、角に布を引っ掛けて走り去ってしまったそうな。
慌てて追いかけるおばあさん。
すると、いつのまにか善光寺に辿り着いていたそうな。
この出来事をきっかけに、おばあさんは仏心が目覚めましたとさ。
めでたしめでたし。
・・・・・・・・・・・・・・・いやいやいや。
牛を追いかけたおばあさんの脚力、スゴすぎるだろ。
もはや、その強欲さは賞賛されるべき。
ちなみに。
この他にも、東京国立博物館では、
後ろを振り向く姿が妙にセクシーな 《駿牛図断簡》 や、
牛の頭をした怪しげなキャラが牛の上に乗った 《チューギェル立像》 など、
さまざまな牛と遭遇しました。
と、そんな風に、牛を見続けたせいでしょう。
何気なく、本館の案内図を目にした瞬間に・・・・
「あんなところにも牛が!」
と、思わず声を上げてしまいそうになりました。
よく見たら、牛ではなく、B1フロアでした (恥)
ンモー。