白金台駅のほど近くにある港区立郷土歴史館に行ってきました。
オープンしたのは、2018年11月。
まだ開館3年目の新しいミュージアムながら、
建物はだいぶ重厚でクラシカル、歴史の重みを感じさせます。
それもそのはず、もともと、この建物は、国立公衆衛生院でした。
ロックフェラー財団の寄付によって、昭和13年に建設されたのだそう。
ちなみに、設計したのは、東京帝国大学総長も務めた内田祥三。
東京大学大講堂、いわゆる安田講堂の設計で知られる建築家です。
2007年まで、国立公衆衛生院として使用されていたそうですが。
その後、長い年月をかけて、耐震補強やバリアフリー化といった、
全面的な改修工事を行い、港区立郷土歴史館へと生まれ変わったのです。
ちなみに、建物内は、展示室以外は写真撮影が自由。
館内の随所に当時の面影が残っており、
思わず写真を撮りたくなるビュースポットが多々あります。
例えば、吹き抜けのある中央ホール。
また例えば、寄せ木細工の床が特徴的な旧院長室。
公衆衛生に携わる技術者を養成するための講堂も、
是非とも、写真に収めておきたいスポットの1つといえましょう。
その広さに対して、
黒板がやや小ぶりなのが気になりましたが。
ちなみに、左右に掲げられたレリーフは・・・・・
《ゆあみ》 などの作品で知られる彫刻家、
新海竹太郎の甥にあたる新海竹蔵の手によるものだそうです。
館内には他にも、画になるスポットが多数あります。
それだけに、謎だったのが、
港区立郷土歴史館の入り口に向かう道すがらに・・・・・
トリックアートのフォトスポットが設けられていたこと。
蛇足にもほどがある気がしました (笑)
さて、現在、港区立郷土歴史館の特別展示室では、
“匠の世界 -木工芸家・中䑓瑞真と彫金家・服部雅永-” が開催されています。
こちらは、港区名誉区民に選定された木工芸家・中䑓瑞真と、
港区指定無形文化財保持者に認定された彫金家・服部雅永にスポットを当てた展覧会です。
お二方とも寡聞にして存じ上げなかったのですが、
中䑓瑞真は、木工芸の人間国宝としては3番目の認定者とのこと。
もともとは、指物 (枘を使って板材を組み立てる技法。釘などは使わない) を制作していたそうですが、
表現に限界を感じ、刳物 (木のかたまりを彫刻刀やノミで削り出して形を作る技法) へ転向したのだそう。
どの作品も、工業製品かと見まごうほどに、
寸分の狂いもなく正確無比に削り出されています。
その超絶テクニックに、思わず目が点になりました。
ちなみに。
展覧会では、中䑓瑞真の制作ノートも併せて紹介されていました。
中䑓直筆のイラストが多数描かれていたのですが。
震えるような線で、遠近感もめちゃくちゃ。
正確無比とは程遠く、再び目が点になりました。
絵の才能と木工芸の才能は別のものなのですね。
余談ですが、港区立郷土歴史館には、
オリジナルグッズが多数揃うミュージアムショップもあります。
せっかくなので、一押しされていた商品を買ってみました。
こちらは、ゾッターというオーストリアの人気チョコブランドが、
港区立郷土歴史館のために作ったオリジナルのラブーコとのこと。
ゾッターは、チョコ好きの間では有名なブランドらしく、
日本でラブーコが購入できるところは、かなり数が限られているそうです。
なお、フレーバーは人気のストロベリーなのだそう。
ちなみに、パッケージに採用されているイラストは、
ゾッターの職人の娘 (4歳) が描いた港区立郷土歴史館なのだとか。
チョコ以上に、味があります。