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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ミティラー美術館コレクション展

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たばこと塩の博物館で開催中の展覧会、

“ミティラー美術館コレクション展 インド コスモロジーアート 自然と共生の世界” に行ってきました。

 

 

 

 

寡聞にして、ミティラー美術館を存じ上げず。

その名前から、アメリカかイタリア、

もしくは、ドイツあたりの美術館かと思いきや・・・・・

 

 

 

まさかまさか、新潟県の十日町市にある美術館でした!

ちなみに、もともと小学校の校舎だった建物を利用した美術館なのだそう。

十日町で元学校の校舎と聞くと、

越後妻有トリエンナーレを連想してしまいましたが。

越後妻有トリエンナーレが始まるよりもずっと前、

1982年に開館した意外と歴史の深い美術館であるようです。

 

さて、コレクションの要となるのは、

美術館の名前にもなっているミティラー画。

インドのミティラー地方において、3000年以上にも渡り、

主に女性たちが母から娘、娘から孫へと受け継いできた民俗画です。

ミティラー画を見たピカソは、

 

「自分は長い間かかって今に至ったが、

 ミティラーの婦人たちは何百年も前から素晴らしい絵を残している」

 

と語ったのだとか。

 

そんなミティラー画で描かれるのは、

主に自然やヒンドゥー教のモチーフです。

そして、ミティラー画の何よりもの特徴は、

隙間を花や動物、鳥、幾何学的な図形で満たし、空白を作らないこと。

 

 

 

ん?この作風、どこかで見たことがあるような・・・・・

 

 

 

あー、草間彌生さんか!

 

しかも、ただの草間彌生さんでなく (←?)

可愛らしさと何とも言えない可笑しみが絵に同居しているのです。

 

 

 

んー?この作風も、どこかで見たことがあるような・・・・・

 

 

 

あーっ、さくらももこさんか!!

 

草間彌生×さくらももこ。

これ絶対女性が好きなやつ! (←決めつけ?)

 

ちなみに。

ポスターのメインビジュアルに使われていたのは、

ミティラー画ではなく、インドのゴンド族に伝わるというゴンド画で、

ジャンガル・シン・シュヤムという作家による 《虎》 という作品です。

 

 

 

これはこれで味はありますが。

どう考えても、メインビジュアルはこれじゃないような。。。

 

ポップで可愛らしいミティラー画を、もっと前面に押し出すべきです!

どうしてもゴンド画でいきたいのであれば、

まだこちらの 《飛行機》 のほうが良かった気がします。

ベロを出したオッサンみたいな 《虎》 じゃなくて。

 

 

 

ただ、飛行機というわりには、

下半身 (?) は完全に鳥ですね。

どういう理屈で空が飛べるのか謎にもほどがあります。

 

 

また、会場では、ミティラー画やゴンド画以外に、

インドのワルリー族が描くワルリー画も紹介されていました。

ワルリー画とは、赤土を塗った壁に、竹とペンを使い、

米をすりつぶし水を混ぜただけの真っ白な絵の具で絵を描いたもの。

 

 

 

シンプルかつプリミティブで、

アルタミラの洞窟絵画を彷彿とさせるものがありました。

個人的にお気に入りなのは、

シャンタターム・ゴルカナの 《カンサーリー女神》 という作品。

 

 

 

カンサーリー女神は豊穣の女神なのだそう。

貧しいながら、いつも人に食べ物を与えていた優しい男のために、

カンサーリー女神がお米を施している場面が描かれているのだそうです。

 

 

 

いくらなんでも、お米多すぎ。

大盤振る舞いにもほどがあります。

どうやって持って帰れというのでしょうか。

 

 

インドの絵画というと、インド映画の看板や、

インドの食料品のパッケージに描かれている濃いタッチの絵の印象しかありませんでしたが。

 

 

 

こんなにも個性的で魅力的な絵画があったのですね。

インド美術の幅広さに驚きましたし、

何よりこれらの絵画が日本にあることにも驚きました。

カレーもいいけど、ミティラー画もね。

星星

 

 

 

 

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