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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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STEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示

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アーティゾン美術館の公式YouTubeアカウントにて、

毎月第2、第4土曜日に配信されている 『アーティゾン 子どものひろば』

皆さま、ご視聴頂けているでしょうか?

 

 

 

タイトルには、「子どもの」 と入っていますが、

たくさんの大人のスタッフが、かなり力を入れて撮影編集しているものなので、

大人が観ても、いや、むしろ大人が観たほうがタメになる内容になっているかと。

是非、一人でも多くの方に再生してもらえたら嬉しい限りです。

 

さて、そんな『アーティゾン 子どものひろば』 でお馴染み、

京橋のアーティゾン美術館にて、現在開催されているのは・・・・・

 

 

 

“STEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示” という展覧会です。

実は本来、この時期には別の展覧会が予定されていたようですが、

新型コロナウィルスの影響により、中止 (延期?) となってしまったのだそう。

しかし、そんな非常事態に対しても、

アーティゾン美術館は決して心折れることがなく。

むしろ、STEPS AHEAD (=前進する) べく、

未公開の新収蔵作品90点強を中心にしたこの展覧会を立ち上げたのです。

 

 

 

このご時世で新たに収蔵した作品の数が、90点以上もあるだなんて。

それだけでも十二分に驚かされますが、

実は、この数字には、昨年1月のリニューアルオープン展から、

先日の “琳派と印象派” までに公開された新収蔵品は含まれていません。

本当の本当に 「未公開の新収蔵作品」 が90点強なのです。

アーティゾン美術館のコレクション力、恐るべし!

ただでさえ質・量ともに充実したコレクションが、

さらに、ここ数年で、これほどまでにパワーアップしていたとは。

サイヤ人がスーパーサイヤ人になったかのような。

もはや強さのデフレぶりに付いていけないレベルでした。

星星星

 

 

さてさて、今展を通じて、数以上に驚かされたのが、

かなり幅の広いジャンルで美術作品が収蔵されていたこと。

カンディンスキーの 《3本の菩提樹》 や、

 

 

 

藤島武二の 《東洋振り》 を筆頭に、

 

 

 

西洋絵画や日本近代洋画の名品の数々が、

コレクションに新たに加わっていたのはもちろんのこと。

日本を代表するインテリアデザイナー・倉俣史朗と、

その盟友で2019年に逝去したアーティスト田中信太郎の作品や、

 

 

 

カルト的な人気を誇る20世紀前半にドイツで活躍したヴォルスの作品、

 

 

 

さらには、オーストラリア先住民によるアボリジナルアートまで、

 

 

 

旧ブリヂストン美術館時代には収集していなかったであろう、

新たなジャンルの作品も、コレクションに多く加わっていました。

アーティゾン美術館の進化は止まらない。

まさに、“STEPS AHEAD” です。

 

展覧会ではジャンルごとに新収蔵品を紹介していましたが。

個人的にテンションが上がったのは、

『デュシャンとニューヨーク』 をテーマにしたこちらのコーナーでした。

 

 

 

20世紀美術に大きな影響を与えた芸術家、

マルセル・デュシャンの作品の数々も新たに収蔵品に加わったようです。

 

 

 

さらには、その周辺の芸術家たちの作品も新収蔵された模様。

その中には、個人的に大好きなアーティストの一人で、

「箱のアーティスト」 として知られるジョゼフ・コーネルの作品もありました。

それも5点も!

 

 

 

そのうち箱作品は、2点。

どちらも素敵で思わず見入ってしまいました。

 

 

 

 

また、新たに加わった珍しいコレクションとしては、こんなものも。

 

 

 

これらはすべて芸術家のポートレート写真です。

壁にずらっと並べられたそれらの写真の中には・・・・・

 

 

 

アンリ・ルソーやマティスといった巨匠の、

一度は目にしたことがある有名なポートレートが多数含まれていました。

正直なところ、「これだけで1つの展覧会が開催できるのでは?」 というほどの充実ぶり。

こんな貴重なポートレートの数々が、

一室でまとめて展示されていることに、

今展の異常さ (←?) を感じずにはいられません。

 

 

ちなみに。

展覧会のラストでは、新収蔵品の中から、

まとまった数のマティスの素描が紹介されていました。

 

 

 

マティスと言えば、油彩作品においても、

よく言えば洒脱な、悪く言えば力を抜いたような、

気負いのないスタイルが特徴的ですが。

素描はその度合いが、さらに増しています。

それでも、《自画像》 はちゃんとマティスの顔とわかるからさすが。

 

 

 

さらさらっと描いたように見えても、

捉えるべく特徴は、きちんと捉えているのでしょうね。

ということは、孫娘を描いたこちらの 《ジャッキー》 も?

 

 

 

もし、僕が実の祖父にこんな風に描かれたら、

「いや、もっとちゃんと描いてよ!」 と言いたくなるはず。

せめて耳は描いてくれ。





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