日本科学未来館で開催中の特別展、
“「震災と未来」展-東日本大震災10年-” に行ってきました。
こちらは、NHKがこれまで記録、蓄積してきた映像や資料をもとに、
震災の記憶や復興の取り組み、今後の災害に対する備えなどを紹介する展覧会です。
まず、会場の冒頭で紹介されていたのは、
地震発生時や津波が上陸した際の映像の数々でした。
これまでに何度か目にしてはいますが、
何度、目にしてもショッキングな光景です。
冗談の類ではなく、映画やCGの映像を観ているかのよう。
それくらいに現実感がない光景です。
もし、自分の目の前で同じことが起こったら。
あまりに非現実的すぎて、おそらく頭での理解が追い付かず、
映像の中の人たちのようには、咄嗟の行動が取れないかもしれません。
続いて紹介されていたのは、
NHK東日本大震災アーカイブス「地震発生から72時間」。
地震発生から72時間のNHKのニュース映像を、
時間を追って紹介する映像プロジェクションです。
あの時は、不安な状況の中で、
次から次に、いろんな情報が入ってきたので、
冷静に何が起きているのかを判断できていませんでしたが。
こうして改めて当時の報道の流れを見ると、
まさに怒涛の3日間であったことがよくわかりました。
さて、会場で紹介されていたのは、映像だけではありません。
こんな巨大な模型も展示されていました。
こちらは、建築を学ぶ学生たちが協力して取り組んだ、
「失われた街」 模型復元プロジェクトで実際に制作された模型です。
建築模型で被災した街の姿をただ再現するのではなく。
ワークショップに参加した住民の方々に、
思い出の場所に 『記憶の旗』 を立ててもらっているのが、
この 「失われた街」 模型復元プロジェクトのポイント。
旗に書かれた文字を一つ一つ読んでみると、
この街で多くの人が生活をしていたという当たり前の事実を再確認させられます。
そのすべてを地震と津波が奪ったと思うと、本当にやるせない気持ちになりました。
普段の僕であれば、ツッコミを入れるであろう、
「高校生のアベックコース」 というフレーズも、今回ばかりはせつなく感じられました。
泣けたといえば、こころフォト~忘れない~のコーナーも。
こちらは、東日本大震災で亡くなった方たちの思い出の写真と、
家族からのメッセージを最新のデジタル技術で紹介するコーナーです。
単に悲しく辛いエピソードが語られるのではなく、
現在の状況を交えたポジティブなメッセージが多かったので、
この心境になるまでにどれだけかかったのかと考えると、かえって胸に迫るものがありました。
震災を振り返る展示が続いたあとは、
復興10年の歩みを紹介するZONEとなっています。
そこには、ガガ様が復興支援チャリティーの一環として、
ネットオークションに出品したキスマーク付きのティーカップや、
宮城県仙台市出身の羽生結弦選手の衣装や、
2013年の東北楽天ゴールデンイーグルスの優勝ゆかりの品々も。
さらに、NHKで東日本大震災といえば。
そう。『あまちゃん』 ゆかりの品々ももちろん展示されていました。
どうしたって楽しい気持ちになることのない展覧会ですが。
『あまちゃん』 ファンとしては、この展示に限っては、
思わず、 「じぇじぇじぇ!」 とテンションが上がってしまいました。
ちなみに。
展覧会のラストでは、東日本大震災を教訓に、
僕らがこれから起こりうる災害に対しての備えなどが紹介されています。
最新のトピックとして興味深かったのは、
新型コロナウィルスの拡大防止に役立つ飛沫感染防止用のテントです。
確かに、展覧会の前半に、避難所での生活を再現したコーナーがあり、
「もし、今震災が起きたら、コロナ対策は大丈夫なのだろうか?」 と不安になりました。
なるほど。
ちゃんと対策は考えられているのですね。
少しだけホッとしました。
それから、段ボールや新聞紙、ゴミ袋などで、
スリッパやポンチョ、防水ズボンを作るアイデアを紹介するコーナーも。
NHK主催の展覧会だけあって、
それらの作り方を動画で教えてくれるのは・・・・・
あの 『つくってあそぼ』 のワクワクさんでした。
(手だけでも、なんとなくワクワクさんだとわかるものですね)
ちなみに。
さまざまなアイデアが紹介されていた中で、
特に目からウロコだったのは、単3電池を単1電池にする方法です。
単3電池の底を重ねた1円玉でかさ上げし、
段ボールを巻いて太さを揃えたら、単1電池として使えるのだとか。
これはナイスアイディア!
早速、まさかの時に備えて、
単3電池と1円玉、ガムテープも用意しておかなくちゃ!
・・・・・・・・・いや、だったら。
単3電池と単1電池、両方用意しておけばいいだろ。
すぐに冷静さを取り戻しました。