ルーヴル美術館の彫刻から直に型取りしたレプリカを公開する美術館。
それが、ルーブル彫刻美術館。
ルーヴル美術館が誇る名品のレプリカはもちろん、
ルーヴル美術館以外の名品の精巧なレプリカも多く有する美術館です。
なんだか、いろいろぶっ飛びすぎていて、
B級美術館の印象を受けるかもしれませんが、
昨日お伝えした通り、本家が認めた美術館です。
何を隠そう (?)、人生で海外に一度も行ったことがない僕。
(パスポートも持っていません。。。)
当然、ルーヴル美術館も訪れたことはありません。
もし、ルーヴル美術館に訪れる機会があれば、
その際はきっと、絵画作品を中心に鑑賞してしまうはず。
展示品の数は多いと聞いているので、
おそらく彫刻作品は、ササッと流し見してしまうことでしょう。
そういう意味では、ルーブル彫刻美術館で、
ルーヴル美術館が所蔵する彫刻作品の数々を、
じっくり観られるというのは、貴重な機会であった気がします。
本家を訪れた際には、見逃してしまうであろう作品と日本で出逢える。
それだけでも、ルーブル彫刻美術館を訪れた甲斐があるというものです。
例えば、こちらのボエトスの 《鵞鳥を抱く子供》。
鵞鳥を抱く、というよりは、
完全に頸部を締めて、落としにいってるような。
何のためらいもなく、鵞鳥の気管を絞める男の子。
サイコパスの匂いがプンプンとしています。
また例えば、こちらの女性像。
(キャプションが無かったので、詳細は不明)
どこまでが髪の毛なのか。
どこからがドレープのある服なのか。
今のスターバックスのロゴを全身映すと、
もしかしかたら、こんな感じかもしれません。
さてさて、他にもルーブル彫刻美術館で気になったことはいっぱい。
というわけで、現地で発見したあれこれを、まとめてお伝えしたいと思います。
●キャプションが見当たらない
上で紹介した女性像だけでなく、
展示されている作品の3分の1くらいは、キャプションが付けられていませんでした。
キャプションはあって当然。
そんな常識を覆させられる美術館です。
何でもかんでも教えてもらえるわけでない。
いかに自分が今まで美術館に甘えていたかを実感させられました。
作品によっては・・・・・
キャプションが落っこちたままのものも。
見えないと、逆に見たくなる。
つまり、作品名を知りたくなる。
美術に興味を持ってもらうに、
あえてキャプションを伏せるというのは、名案かもしれませんね。
●展示方法もこだわらない
キャプションどころか、作品によっては展示方法すらこだわないものも。
古代文明から出土したと思われるこちらの石像は・・・・・
背後の木箱にもたれかからせるように展示されていました。
普通のミュージアムではありえない展示スタイルですが、
これによって、石像が待ちぼうけを喰らっているような印象がアップ (←?)。
人間味を感じられるようになりました。
また、展示方法どころか、展示品にもそこまでこだわりが無いようで。
《サモトラケのニケ》 や 《ミロのヴィーナス》 が展示される一方で、
展示室の一角では、よくわからないオブジェや謎のフランス人形も展示されていました。
その中には、チャップリンやルイ・アームストロングのフィギュアも。
どういうチョイスなん??
彫刻であれば、そこに価値の差なんて無い。
そんなルーブル彫刻美術館の主張が聞こえてくるようです。
●ルーヴル美術館が認めたグッズが買える
ミュージアムのお楽しみの一つ。
それは、ミュージアムグッズ。
ルーブル彫刻美術館では、
ルーヴル美術館より購入したグッズを買うことができます。
それゆえ、お値段もそれなりのもの。
画面右の 《浴女》 のオブジェは、しれっと20万円もします。
そんな高額であるにもかかわらず。
値札は、街のおもちゃ屋さんのものと一緒。
さすがのルーブル彫刻美術館クオリティです。
●写真集がもらえる!
本物が一つもないのに、入館料1500円は高い。
そう思われている方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
そこは、決して儲け主義ではないルーブル彫刻美術館。
SNSを使ったこんなサービスをしています。
SNSに投稿するだけ、
なんと1000円もする写真集がプレゼントされるのです。
つまり、実質500円!
お得にもほどがあります。
●昔はレストランもあったらしい
残念ながら、今は営業されていないようですが。
かつてルーブル彫刻美術館には、
レストランが併設されていたようです。
その名は、味露。
おそらく、《ミロのヴィーナス》 が由来なのでしょう。
カタカナではなく、「味」 の 「露」 という当て字に郷愁を感じずにはいられません。
「れすとらん」 は、平仮名だし。