どうも、アートテラーのとに~です。
このブログは、皆さまにエンタテインメントを届けるためのブログですので、
美術界のニュースや特に政治の諸問題に対し、真面目に意見を述べるというのは避けてきました。
ただ、緊急事態宣言下における都の美術館博物館への対応に、
どうしてもアートテラーという立場なりに感じたことを記しておきたくなりまして。
そこで、今日は、美術館女子問題以来再び、
『ワイドナショー』 のパロディ企画、『アートナショー』 で個人の見解を話したいと思います。
この記事を通じて、誰かを責めたいわけでもないですし、議論を行いたいわけでもありません。
あくまでパロディ企画として、お読み頂ければ幸いです。
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2021年4月25日から始まった3度目の緊急事態宣言を受け、
4都府県の美術館および博物館が臨時休館を余儀なくされました。
都に関しては、小池都知事が23日夜の記者会見にて、都立の美術館を休館とすると発表。
また1000平米以下の美術館博物館については、休業協力を要請するとしました。
2日前の急な要請に、現場は大混乱。
都内の美術館博物館の多くが、1000平米以下なのですが、
あくまで休業の協力であるため、支援金は1円も支払われることはありません。
本心としては開けたいところでしたが、
美術館以外の施設も閉めていることもあり、
ほとんどの美術館博物館が、泣く泣く自発的に休館をしていました。
そして、5月7日。
5月11日までとされていた緊急事態宣言を
5月31日まで延長することを政府が発表します。
この時、国の方針としては、イベントの開催は緩和の方向に。
美術館や博物館も緩和の対象となり、それを受け、
休館していた東京国立近代美術館の “あやしい絵展” や、
東京国立博物館の “鳥獣戯画展” は再開のアナウンスを発表しました。
文化庁長官も 「休止は最終手段であるべき」、
「文化芸術活動は不要不急ではない」 と声明を発表。
これで一気に美術館や博物館が再開するかと思いきや、
東京都が待ったをかける形となり、休館の延長を余儀なくされたのです。
そんな状況を経ての緊急事態宣言の6月20日までの再延長。
美術館・博物館の休館もさらに延長なのか?
と、皆がうっすら覚悟したところで、6月1日から、
休業は緩和、時短要請へと切り替わることが報じられました。
これにより現在休館中の美術館の多くが再開することが予想されます。
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まぁ、まずは率直に言って、
このニュースは美術界にとって、おめでたいなぁと思います。
本心から良かったなぁとは思います。
ただ、冷静になって考えてみると、
「おめでたい」 とか 「良かった」 とか、
そういう風に思わされている場合ではないですよね。
DVをずっと喰らっていて、たまたま殴られなかったら、
「今日は殴らないでくれてありがとう」 と感じているのと一緒というか。
感謝してどうするんだ、っていう話です。
ずっと理不尽な暴力を喰らってきただけなんで。
僕以外の人もそういうコメントしてましたけど、
そもそも美術館や博物館でクラスターは起きていないですよ。
取材していますけど、そんな話、一切聞いてないですし。
仕事柄、年間700~800の展覧会を観てる僕が、
今のところ一切コロナを発症していないのが、何よりものエビデンス。
美術界のためになるというのであれば、
僕の身体はどう切り刻んで頂いても (←?)。
身体を隅々まで検査して頂きたいくらいです。
美術館を休館する最大の理由は、
人流を抑制するため、とのことでしたが。
美術を広める活動を10数年してきた僕が、こんなことは言いたくはないですが。
美術館って、そんなに人が来てないですよ (笑)
むしろ人が来てないから、なんとかしようと、
これまでアートテラーとして日々活動してきたわけで。
もしかしたら、小池さんは美術が誰よりも好きな方なのかも。
人は誰もが美術を愛しているゆえ、
美術館は人で溢れてしまう場所と考えているのかもしれませんね。
いろいろ言いたいことはありますが、最後に一つだけ。
都の思い付き (?) に従って、
都内の私立美術館は1000平米以下でも、
休業の協力の要請に従ってきたわけです。
何の根拠もなしに。
それで、昨日28日の段階で、再開してもいいですよ、と、
都がサラッと発表したわけですが、すぐにはどこも対応できないわけです。
そんな中、都立の美術館は、どこよりも早く再開を発表していました。
都立ファーストにもほどがあります。
もちろん都立美術館の “中の人” は悪くないです。
再開も心から嬉しいです。
だけど、なんとなくですが、再開の発表は、
都内の私立の美術館が再開を発表した後にしてほしかった!
マラソン大会で、「一緒にゆっくり走ろうぜ」 と、
言ったヤツがゴール手前で、急に速く走り始めたみたいな。
それに近いものを感じて、なんかモヤモヤしてしまいました。
何はともあれ、再開できたのは、
美術界にとっては希望ですよね。
それだけに、再休館とされてしまわないよう、
これまで以上に、鑑賞する側の僕らも感染対策をしっかりしなければ。