現在、箱根ラリック美術館では、
“ルネ・ラリックの水のかたち” が開催されています。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
ラリックが創り出す作品と言えば、
鳥や虫をモチーフにしたものが多い印象がありますが。
実は、水にまつわる作品が多かった?!
そんな意外な事実が明らかになる展覧会です。
例えば、こちらは魚をモチーフにした作品。
その全体的なフォルムやヒレの形状から、
モチーフとなっているのはマトウダイと推定されるそうです。
また、こちらはホウボウをモチーフにしたペーパーナイフ↓
可愛さよりも、リアルさを追求したタイプですね。
なかなかグロテスクです。
他にも、カタツムリや亀といった、
水にまつわる生き物をモチーフにした作品もありました。
どちらもツボの表面に、みっちりびっしり。
なかなか・・・いや、普通にグロテスクです。
また、ラリックは実在の生物だけでなく、
ウンディーネやナイアードといった水の精をモチーフにした作品も多く制作しています。
その中でも特にモチーフに採用されていたのが、シレーヌ。
ギリシャ神話では、セイレーン。
英語読みすると、サイレン。
スターバックスのロゴにデザインされている水の精です。
こちらの照明器具も、セイレーンがモチーフとなっています。
公開されるのは、今回が初めてとのこと。
下から見上げると、こんな感じでした。
まるで映画 『グラン・ブルー』 のワンシーンのよう。
本当に水底から海面を眺めているような感覚を味わえました。
ちなみに。
水の精をモチーフにしたラリックの代表作といえば、
やはり1925年のアール・デコ博で発表されたガラスの噴水塔でしょう。
その名も、《フランスの水源》。
高さは実に15mにも及びます。
こちらは、今展のために制作された噴水塔の10分の1の模型です↓
水の精をモチーフにしたガラスの彫像、
16種、計128体で噴水塔は構成されていたのだそう。
箱根ラリック美術館はそのうちの2体を所蔵しており、
今展では、その両方が仲良く並んで展示されていました。
実物は解体されてしまっているため、
想像力をフル回転させるしかないわけですが。
これらの像が全部で128体組み合わされ、
高さ15mを誇る噴水塔 (しかも、夜には光る!) は、
さそがし美しく、当時の人々の度肝を抜いたことでしょう!
ガラスという素材を最大限に活かし、
さまざまなタイプの水をモチーフにした作品を制作したラリック。
そんなラリックの水の呼吸が、
余すことなく紹介された展覧会です。
どうぞ全集中でお楽しみくださいませ。
ちなみに。
箱根ラリック美術館のカフェレストラン 「リス(LYS)」 では、
ネットで話題となった昨年の企画展限定スイーツに引き続き、
今年もインスタ映え確実な企画展限定スイーツが提供されています。
それが、こちらの企画展のテーマ 「水のかたち」 をイメージした水まんじゅうです。
箱根の天然水を使用した、ほんのり甘い水まんじゅうでした。
添えられた黒蜜やきな粉、あんこで、
自分の好みの味にカスタマイズできます。
また、箱根ラリック美術館の顔ともいうべき作品、
《シルフィード》 をかたどった人形焼も付いてきました。
このスイーツのために、
新潟県の職人さんに型を作ってもらったそう。
こだわり抜かれた逸品です。