今年2021年は、聖徳太子の1400年遠忌に当たる節目の年。
それを記念して、現在、東京国立博物館では、
“特別展「聖徳太子と法隆寺」” が開催されています。
（注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。）
こちらは、聖徳太子が創建したと伝えられる法隆寺の寺宝を中心に、
国宝・重要文化財を含む約180点 （途中展示替えあり） を紹介する展覧会です。
あっちにも貴重な展示品。
こっちにも貴重な展示品。
聖徳太子並みの処理能力でなければ、
一度ですべてを咀嚼するのは不可能なレベル！
それほどまでに、貴重な展示品が数多く出展されていました。
どの展示品も歴史的、文化的に価値があるものばかりですが、
中でも今展の目玉となるのが、国宝の 《聖徳太子および従者像》 です。
国宝 《聖徳太子および侍者像のうち聖徳太子》 平安時代 保安2年（1121）、奈良・法隆寺蔵、通期展示
寺外で公開されるのは、実に27年ぶりとのこと。
お札や教科書でよく目にする聖徳太子の顔は、
優しげで、どことなくのほほんとした印象がありますが。
国宝の彫像の聖徳太子は、どちらかといえばワイルドな印象。
顔は浅黒く、鋭い目つきで、あごひげも蓄えています。
あくまで勝手なイメージですが、ラップが上手そう。
あくまで勝手なイメージですが、
夜中にドン・キホーテの駐車場にいそうです。
そんな聖徳太子とは対照的に、
脇を固める従者たちは、なかなかにファニーフェイスでした。
センターの聖徳太子と比べて、
圧倒的サブキャラ感が醸し出されています。
なお、狩野 〈晴川院〉 養信による模写ではありますが、
慣れ親しんだあの聖徳太子の肖像画も出展されていました。
狩野〈晴川院〉養信 《聖徳太子二王子像（模本）》 江戸時代 天保13年（1842）、東京国立博物館蔵、通期展示
改めてちゃんとこの絵を見てみたところ、
気になるところが、いろいろとありました。
唇、赤っ！
剣、長っ！
靴の先端、尖っ！
あと、かなりのなで肩でした。
ちなみに。
聖徳太子といえば、こんな彫像も。
何と言っても目を奪われるのは、だいぶエッジの効いた細眉。
僕個人の統計では、男がこの眉にするのは、
思春期を迎えた頃、ヤンキーに憧れる15歳前後です。
が、この彫像の聖徳太子の年齢は、なんと2歳とのこと！
さすが聖徳太子。
成長の早さが尋常ではありません。
さてさて。
聖徳太子が主人公の展覧会ではありますが、
日本最古の四天王像とされる国宝 《四天王像》 をはじめ、
聖徳太子の彫像以外の仏像も充実しています。
それらの中のは、古代仏像彫刻の傑作と名高い、
法隆寺金堂東の間本尊の国宝 《薬師如来坐像》 も。
国宝 《薬師如来坐像》 飛鳥時代 7世紀、奈良・法隆寺蔵、通期展示
穏やかで神秘的な表情や、
どこか素朴さも感じられる光背など、見どころは多々ありますが。
何より目を惹かれるのが、衣文の表現です。
量どんだけ。
ウェディングドレスくらいボリュームがあります。
この格好では移動するのが大変そう。
それもまた修行の一環なのかもしれません。
ちなみに。
個人的に一番印象に残っている仏像は、
奈良の法起寺に伝わる重要文化財の 《菩薩立像》 です。
キャプションによると、S字型のポーズが特徴的とありました。
彫刻でS字型のポーズと聞いて思い出すのは、
《ミロのヴィーナス》 や 《ダヴィデ像》 でもお馴染みのコントラポスト。
西洋の彫刻ならではの特徴と思っていましたが、
実は日本でも古くからS字型のポーズはあったのですね。
・・・・・って、あれあれ？？
正面から見る限りは、直立しているようにしか見えません。
“どこかS字なんだろう？” と、サイドに回ってみたところ・・・・・
確かに、S字型にはなっていました。
「そっちかーい！」 と心の中でツッコみました。
こういうパターンのS字型もあるのですね。
┃会期：7月13日（火）～9月5日（日）
┃前期 7月13日（火）～8月9日（月・休） 後期 8月11日（水）～9月5日（日）
┃会場：東京国立博物館
┃https://tsumugu.yomiuri.co.jp/horyuji2021/
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