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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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巨大映像で迫る五大絵師

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大手町三井ホールで開催中の展覧会、

“巨大映像で迫る五大絵師” に行ってきました。

 

 

 

本を代表する五大絵師の傑作の数々を超高精細デジタル画像で、

それも、巨大なスクリーンで公開するデジタルアートの展覧会です。

長年、美術史の仕事に携わっていますが、

五大絵師という言葉は初めて耳にしたような・・・。

この展覧会がいう五大絵師とは、

葛飾北斎、歌川広重、俵屋宗達、尾形光琳、伊藤若冲の5人。

雪舟は?円山応挙は?横山大観は??

人によって言いたいことはままあるでしょうが。

そこに関しては、「異論は認めない」 という感じでした。

 

 

さて、展覧会は全部で3つのエリアで構成されています。

まずは、解説シアター。

シネコン並みの巨大なスクリーンに超高精細デジタル画像を映し出し、

作品の緻密な部分を拡大表示しつつ、その見どころをわかりやすく解説するコーナーです。

ナレーションを務めるのは、光浦靖子さんと佐野瑞樹アナウンサー。

もちろん真面目にナレーションされてはいましたが、

お二人のおかげでバラエティ番組感が醸し出されていたのが、かえって良かったかも。

解説映像は約20分ありますが、あっという間に感じられました。

何より巨大な映像も見ごたえありました。

 

 

続いて待ち受けているのは、

この展覧会の目玉というべき3面シアター。

 

 

 

縦7m、横45mの3面ワイドの巨大スクリーンに、

俵屋宗達の国宝 《風神雷神図屛風》 をはじめ、

若冲の 《仙人掌群鶏図》 や北斎の 《冨嶽三十六景》 などが映し出されます。

 

 

 

こちらも映像は約20分。

解説シアターのような解説はなく、

映像の演出やBGMで没入感を楽しむコーナーです。

作品のイメージとBGMがバチっと合っているものもありましたが、

ピアノの調べとともに紹介される広重の 《東海道五十三次》 など、

 

 

 

個人的には、「ん??」 となる箇所もありました。

中国の歴史アクション映画の予告編で流れるBGMみたいなのもありましたし。

 

あと、「ん??」 といえば、

狩野邦信の 《源氏物語絵巻図屏風》 など、

 

 

 

五大絵師の作品ではないものの数点含まれていました。

その中には、作者不詳のものも。

五大絵師と言うからには、五大絵師しか紹介しないでほしい。

・・・・・・・とまでは、さすがに思いませんが。

それなら、タイトルは “巨大映像で迫る日本美術” とか、

“巨大映像で迫るジャパニーズアート” とかでも良かったような。

 

 

さてさて、3面シアターを見終えた後は、

最後のコーナー  「Digital北斎×広重」 へ。

どんなコーナーなのだろうと足を踏み入れると、

廊下のような空間に、無数のモニターが設置されていました。

 

 

 

どうやら 《富嶽三十六景》《東海道五十三次》 の超高精細の画像が、

モニターにそれぞれループ再生する形で映し出されているだけのようです。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・。

 

まぁ、確かに画像は高精細で奇麗でしたが。

実際の浮世絵よりは大きく拡大されていましたが。

巨大映像2連発を観た直後だけに、

小モニター&静止画は、さすがにパンチが弱かったです。

 

 

コロナ禍で普通の美術展が開催し辛くなった今。

絵画を迫力ある大画面で見せるということには可能性を感じました。

そういう意味では興味深い試み。

今度はダ・ヴィンチとかフェルメールとか、

海外の作品でもチャレンジして頂きたいと思います。

星





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