1927年に、内藤多仲、木子七郎、今井兼次という、
昭和を代表する3人の建築家によって造られた邸宅、
旧山口萬吉邸をリノベーションした施設 「kudan house」。
この長い時を重ねた歴史的建造物を舞台に、
「時/とき」 をテーマにした展覧会が開催されています。
その名も、“The Still Point – まわる世界の静止点”。
出展作家は、時代や国籍の異なるアーティスト19組。
キャンバスに穴を開ける作品で、美術界に文字通り風穴を開けたルチオ・フォンタナや、
京都の祇園に生まれた木漆工芸初の人間国宝・黒田辰秋、
『青天を衝け』 の題字を手掛けた現代美術家・杉本博司さんなど、
そうそうたる顔ぶれの作品が取り揃えられています。
作品自体ももちろん素晴らしいのですが、
それらの魅力をさらに引き出していたのが、kudan houseの建築です。
洋館とアートの融合。
大部屋だけでなく、小部屋もままあるので、
惜しまれつつ閉館した原美術館を彷彿とさせるものがありました。
とはいえ、原美術館とは違って、
kudan houseの2階には、和室もしつらえられていました。
洋館の中にいきなり現れる和の空間。
いい意味で異空間めいたこの空間には、
新進気鋭の陶芸家・和田的さんの作品と、
注目の若手日本画家・小瀬真由子さんの作品が展示されています。
歴史を感じる洋館の中に、
趣のある和の空間があって、
そこに現代アートが飾られている。
何層にもレイヤーが重なった、アート空間です。
さらに、kudan houseには地下室もあります。
洋の空間?
それとも、和の空間?
正解は、意表をついて・・・・・
どことなく廃墟感も漂う、
現代的なギャラリーのような空間でした。
普段は会員制の施設のために入ることができないkudan house。
その内部をたっぷり堪能できるだけでも言うことがないというのに。
その上、さまざまなアートも楽しむことができるだなんて。
しかも、無料で!
これは参りました (←?)
3ツ星です。
ちなみに。
展覧会は事前予約制となっています。
僕は11時の開場と同時に訪れました。
受付時にもらったハンドアウトを見ながら、
2階に設置された菅木志雄さんの作品のもとに向かったところ、このような状態に。
へぇー。ビニールで覆われた作品なんだ!
菅さんの作品としては初めて観るタイプだなァ!!
そう思って、その時はスルーしましたが、
のちほど、再び菅さんの作品を観に行くと・・・・・
ビニールが取れていました。
あ、やっぱり、こういう作品ですよね (汗)
おそらく取り忘れられていたのかと。
たぶんこの日だけたまたまだったのでしょうが、
万が一があるので、朝イチで訪れる方は、ご注意くださいませ。