京都国立博物館で開催中の特別展、
“京の国宝―守り伝える日本のたから―” に行ってきました。
「本気」 と書いて、「マジ」 と読むように、
「鉄道員」 と書いて、「ぽっぽや」 と読むように。
展覧会タイトルの 「京」 は、「京」 と書いて、「みやこ」 と読みます。
なお、サブタイトルは、“守り伝える日本のたから”。
僕は空目して、「守り伝える日本のだから」 と思い込んでいました。
チャンドンゴン的に、
守リ伝エル、日本ノダカラーーー
と、叫んでいるのかと (笑)
全然そんなことはなかったです。
さて、実はこちらの展覧会は、本来であれば、
昨年の春に、京都市京セラ美術館で開催予定だったもの。
ところが、コロナ禍により、中止に。
しかし、ギリギリまで準備を進めていたこともあって、
会場を京都国立博物館へと移し、1年越しに開催される運びとなりました。
しかも、会場が大きくなったために、
内容は必然的にパワーアップせざるを得ないことに!
結果、72件 (!) の国宝が出展されることとなったそうです。
それらの国宝の中には、雪舟の 《天橋立図》 や、
長谷川等伯の 《松に秋草図》、
俵屋宗達の 《風神雷神図屏風》 といった、
国宝の中でもとりわけ人気の高い国宝の数々が含まれています。
ただ、2017年に京都国立博物館で開催された・・・・・
“国宝展” とは違って、すべてが国宝というわけではありません。
国宝そのものというよりは、文化財保護に焦点が当てられているため、
国宝を定める法律 「文化財保護法」 やその前身である 「古社寺保存法」 に関する資料、
新納忠之介 『調査野帳 第五冊 平等院調査』 京都・公益財団法人美術院
文化財の調査や研究、保護に関する資料といったものも、
《模造 法界虚空蔵菩薩坐像》 (原品 神護寺蔵) 文化庁
多く展示されていました。
これらの展示品が悪いというわけでは決してないのですが、
国宝純度100%の展覧会を、一度京博で経験してしまっているため、
残念ながら、薄味な感じは否めませんでした、、、
無理無理、京都発祥のラーメンに例えるのであれば、
天下一品のラーメンのこってりではなく、屋台の味を食べているかのような印象。
個人的にはもっと濃度が高いものを食べたかったです。
ちなみに。
今展で特に印象に残った国宝を挙げますと、
まずは、東福寺の 《禅院額字并牌字》 でしょうか。
禅院額字并牌字とは、禅院に掲げられる額字并 (=ならびに) 牌字のお手本とのこと。
風病は、中枢神経に関する疾患とのこと。
そのため、男の顔は歪み、碁を打つ手も震えています。
それに対して、爆笑する女性2人。
わーわーわー。
今ならコンプライアンス的に一発アウトですね。
病気を笑ってはダメ。ゼッタイ。
国宝ではないですが、印象に強く残ったのが、
皇室関連の至宝として紹介されていたうちの1点、《天子摂関御影》。
《天子摂関御影》 とは、平安時代後期から鎌倉時代にかけて、
天皇や摂関、大臣を務めた計131名の肖像を描き連ねた絵巻です。
↑こんな感じの偉そうなオーラを醸し出した、
歴代の摂政の肖像画が、ずらずらと一列に並んでいました。
校長室に飾られた歴代校長の肖像写真と同じシステム。
歴代の〇〇の肖像を並べたくなる。
そんなDNAが日本人は組み込まれているのかもしれません。
最後に紹介したいのは鹿苑寺、通称、金閣寺が所蔵する 《金堂鳳凰》 です。
もともとは国宝であった鹿苑寺の本堂。
しかし、見習の僧侶が放火したため、
全焼となり、国宝の金堂は焼失してしまいました。
再建された金堂は、残念ながら、国宝ではありません。
この鳳凰は、かつての金堂の屋根を飾っていたもの。
唯一の生き残りです。
もし金堂が焼失していなかったら、
確実にこの鳳凰は国宝の一部だったはず。
そう思って改めて観てみると、風格のようなものが感じられました。
と、同時に縮尺がやや漫画チックのような印象も。
手塚治虫漫画に出てきそう。