現在、江戸東京博物館で開催されているのは、
“大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―” という展覧会。
18世紀初頭、世界でも随一の人口を誇った都市、
100万人越えの江戸の武家や商家の “ハレ” の場面を紹介する展覧会です。
展覧会の冒頭に飾られていたのが、こちらの具足。
一見すると何の変哲もない (?) 具足に見えますが、
実はこの具足は、徳川家康・秀忠が、
当時のイギリス国王に贈答品として贈ったもの。
なんと、この展覧会のために、イギリスから里帰りしています。
ユニオンジャック柄にするとか、
前立てをイギリスの地形にするとか。
せっかくであれば、もう少しイギリスに寄せてあげても良かったような・・・。
なお。
今展ではこの他にも、注目すべき具足があります。
それは、江戸東京博物館が所蔵する銀小札変り袖白糸威丸胴具足と、
ミネアポリス美術館から里帰りした金小札変り袖紺糸妻紅威丸胴具足です。
片方が金で、片方が銀。
ということは、所用者が兄弟関係にあったのでは?
などと、いろいろ推測されているそうです。
さてさて、何といっても気になったのは、金のほうの前立て。
カマキリの形をしていました。
それも、ちょっとコミカルな。
戦闘中、極限状態の時に、
兜にこんなん付けたヤツが現れたら、
笑ってしまって、100%の力が出ないかもしれません。
また、銀のほうの前立ては、
特に笑いを取りには行っていませんでしたが (←?)
ふと胸下に目をやると・・・・・
サコッシュのようなものがありました。
江戸の人も、そこにちょっとしたものを収納したかったのですね。
ちなみに。
他にもいくつか江戸の具足が紹介されていましたが。
タイムリーな話題として印象に残ってしまったのが、
《切付盛上札啄木紺糸威二枚胴具足 付 黒塗六葉葵紋蒔絵軍配・采配》 です、
前立てが・・・・・
金のシャチホコとなっていました。
きっと、あの市長がこの前立てを目にしたなら、噛みたくなるのでしょう。
いや、躊躇なく、ガブリと嚙むのでしょう。
この展覧会が名古屋に巡回しなくて、本当に良かったです。
さてさて。
展覧会には他にも、徳川家康が着ていたという胴服 (重要文化財!) や、
第12代将軍徳川家慶の側室にして、
13代将軍家定の生母・本寿院の所用と考えられるゴージャスな女乗物、
江戸時代はブイブイ言わせていた商家 (?) 鹿嶋屋東店の祭礼道具など、
江戸文化を感じられるものが多々展示されていましたが。
個人的に強く印象に残っているのは、
江戸を代表する人形師・原舟月による 《古今雛》 です。
人形としてのクオリティは素晴らしかったですが、
それよりも何よりも気になったのが、雛たちの平均年齢 (←?)。
お雛様が完全に歳を食っていました。
どう見ても50オーバー。
五人囃子の中には・・・・・
ちょっと元SMAPの中居君に似てるのが紛れていました。
ところで、久しぶりに江戸東京博物館を訪れたのですが。
2018年のリニューアルに合わせて、
オープンした銀座洋食三笠会館が、いつの間にやら閉店してしまっていたそうです。
その代わりに新しくオープンしたのが・・・・・
江戸博砂漠なるお店。
エジプト、モロッコ、イスラエル料理のお店のようです。
いや、江戸も東京も全然関係ないがなっ!!