表参道のGYRE GALLERYで開催中の展覧会、
“村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力” に行ってきました。
こちらは、第155回芥川賞受賞作・・・・・
『コンビニ人間』 で知られる小説家・村田沙耶香さんの小説3作品を題材に、
2人の現代アーティストが新たに制作した作品を中心に構成された展覧会です。
1人は、国際的に活躍するデイヴィッド・シュリグリー。
2017年には水戸芸術館において、
日本初の大規模展覧会が開催されたイギリス人現代アーティストです。
そして、もう1人は、『コンビニ人間』 の装丁に、
その作品が用いられた現代美術家で彫刻家の金氏徹平さんです。
会場では、人気も実力もある2人の現代アーティストの作品が、
村田沙耶香さんの小説内のセンテンスとともに紹介されています。
現代アートと小説家がコラボする。
それだけでも、なかなかレアな展覧会ですが。
今展では、さらに、村田さんが学生時代に制作した絵画やコラージュ作品も紹介されていました。
決して、凡庸な作品ではないのですが、
やはり現役の美術家たちの作品と比べてしまうと、「・・・・・。」。
果たして、この状況は、
村田さんにとって、ユートピアなのか?
はたまた、ディストピアなのではなかろうか?
そんなことを、元コンビニ人間である僕は、感じずにはいられませんでした。
さてさて。
会場には、特にキャプションのようなものは見当たりません。
それゆえ、シュリグリーのドローイング作品はともかくも、
金氏さんの立体作品に関しては、どこまでが1セットなのかよくわかりませんでした。
床に置かれたリステリンみたいなのは、
個々で作品なのか、まとめて作品なのか。
それとも、漫画の背景みたいなヤツも含めて作品なのか。
『コンビニ人間』 では、主人公はコンビニで働いている時だけ、
「世界の正常な部品」 になっていると安心できるという描写がありましたが。
この金氏さんの作品は、一体どこまで 「正常な部品」 なのでしょうか。
ちなみに。
金氏さんの作品といえば、こんなものも。
近づいてよく観てみると・・・・・
明らかに 「異常な部品」 と化したドラえもんがいました。
まるで、ポカポカドボン対決で負けて、
粉まみれになってしまったかのようです。