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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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はしもとみお 木彫展 いきものたちの交差点

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武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中の展覧会、

“はしもとみお 木彫展 いきものたちの交差点” に行ってきました!

 

 

 

兵庫県に生まれたはしもとみおさん。

幼い頃には、獣医を志していましたが、

阪神淡路大震災で被災したのを機に、「命とは何か 」と強く考えるようになったそう。

そして、考えに考えを重ねた末に、

「命とは輪郭を保つもの」 だと思い至ります。

それを機に、美術の道へと進み、

今生きている、もしくは、生きていた、

特定のいきものたちを木彫で制作し続けています。

そんなはしもとさんの都内の公立美術館では初となる大規模展覧会です。

 

会場は2つの架空の街で構成されています。

まずは、「森町」。

 

 

 

マレーグマやオランウータン、チンパンジーなど、

主に森の動物たちの木彫作品と出会うことができる町です。

 

メインとなるのは、もう一つの 「猫町」。

こちらには、今年5月に放映された 『情熱大陸』 で、

その制作にいたるまでが密着されていた 「わさお」 を筆頭に、

 

 

 

猫や犬など、身近な動物たちが多く紹介されています。

 

 

 

床には、横断歩道が敷かれており、

まさに展覧会タイトルにある “いきものたちの交差点” となっていました。

 

 

 

車は走っていないので、事故で命を失う心配はありませんが、

はしもとさんが生み出す動物があまりにも可愛いので、語彙力を失う恐れがあります。

 

 

 

どの動物を観ても、「カワイイ!」 しか出てきません。

どれほど会場内で 「カワイイ!」 を連呼したことでしょう。

“いきものたちの交差点” は、可愛いの密状態。

渋谷のスクランブル交差点よりも、密でした。

 

作品そのものももちろんカワイイのですが、

作品に添えられたはしもとさん手描きのキャプションもまたカワイイのです。

端々から動物への愛情が伝わってきます。

 

 

 

さすがに、はしもとさんの作品の魅力を、

「可愛いです。」 の一言だけで済ますのも、

アートテラー的にはなんなので、もう少しツッコんだ感想を。

作品を観て、何より驚かされたのは、どの動物にも “生” を感じることです。

 

 

 

“作品が展示されている” という表現ではなく、

“そこに動物がいる” という表現のがしっくりくるくらいに。

では、リアルに作られているのかと言えば、

意外と木肌の表情は荒々しく、本物そっくりというわけではありません。

なのに、動物たちの息遣い、温もりのようなものが感じられるのです。

どれだけ精巧に作られた剥製を観ても、そんなことは感じないのに。

美術作品を鑑賞しているというよりは、

魔法を見せられている感覚に近いものがありました。

 

 

 

はしもとさんの作品が素晴らしいのは当然としまして、

作品の床置き、結界を付けなかった美術館の対応も素晴らしかったかと。

 

 

 

そのおかげで、動物たちの姿が、より生き生きと感じられました。

展覧会は写真撮影OK!

会場にいたどのお客さんも、カメラやスマホ片手に、

顔をほころばせていたのが何よりも印象的な展覧会でした。

はしもとさんは動物だけでなく、笑顔も多く生み出しています。

星星星

 

 

 

 

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