現在、銀座のシャネル・ネクサス・ホールでは、
“The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展” が開催されています。
展覧会の主役は、こちらの人物↓
フランスを代表する写真家ギイ・ブルダン (1928~1991)。
ファッション写真を芸術へと昇華させた伝説のフォトグラファーです。
若き日は画家として活動していましたが、
マン・レイらシュルレアリストとの出会いをきっかけに、
その影響を大きく受けた写真を撮るようになり、一躍注目を集めるようになります。
確かに、初期の作品は、まんまマン・レイ。
マン・レイの影響を受けていました。受け過ぎていたかもしれません。
しかし、『ヴォーグ』 をはじめとする雑誌に、
ファッションフォトが掲載されるようになってからは、そのオリジナリティが開花。
展覧会タイトルにある “The Absurd and The Sublime”、
すなわち滑稽と崇高の、紙一重の合間を弄ぶような独自の世界観を確立しました。
一度目にしたら、二度と忘れられない強烈なインパクト。
絶妙に官能的で、絶妙にミステリアスで、
絶妙に気持ち悪さのようなものを孕んでいます。
この唯一無二の世界観は、
彼にしか出せないことでしょう。
こんな面白い写真家がいただなんて。
もし、この展覧会が無かったら、
知らないまま一生を終えていたかもしれません。
シャネルさまさまです。
ちなみに。
ギイ・ブルダンは、シュルレアリスト以外にも、
映画監督のヒッチコックにも大きな影響を受けていたのだそう。
確かに、この写真はその影響が見て取れます。
キャプションによると、1975年のシャルルジョルダンの広告だそうですが。
この不穏な広告を観て、どんな人がシャルルジョルダンの購買意欲が沸くのでしょうか。
おそらく、あのピンクの靴を宣伝したいのでしょうが、
内容が内容だけに、呪いの靴のようにしか見えません。
不穏といったら、こんな写真も。
ベンチに立てかけてあるのは、マネキンの足元。
もし、日常でこの情景に出会ったら、
間違いなく、声を上げてしまうことでしょう。
どういう性格をしていたら、こんな発想が生まれるのか。
写真家としては素晴らしいですが、
ギイ・ブルダンとは友達になれる気がしません。
あまりに写真がミステリアスすぎて、
今ひとつ人間性が見えないギイ・ブルダンでしたが。
おそらく、脚フェチ。
それも、ふくらはぎのフェチ。
女性のだけかと思えば、男性のも。
どっちもイケる (?) ふくらはぎフェチです。