Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史

$
0
0

現在、六本木ヒルズの東京シティビューでは、

サンリオの創立60周年を記念して、史上最大規模となるサンリオの展覧会、

“サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史” が開催されています。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

会場に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、

増田セバスチャンさんが今展のために制作した 《Unforgettable Tower》

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

約4000個ものサンリオのキャラクターのぬいぐるみで作られたタワーです。

高さは8mとのことですが、その圧倒的な佇まいゆえ、

眼下に見える東京タワーよりも巨大に感じられました。

 

 

さてさて。

展覧会の冒頭で紹介されていたのは、

創世期のサンリオに関する貴重な品々。

実は、サンリオはもとからサンリオだったわけでなく、

山梨シルクセンターという小物雑貨販売の会社だったそうです。

最初はなかなかヒット商品に恵まれなかったようですが、

ただのゴム草履に花柄を付けたところ、これが意外なヒット商品に!

「カワイイものは売れる!」 と確信した創業者は、

カッコよさや美しさ、実用性よりも、カワイイを最優先する商品開発に乗り出します。

そうして誕生したのが、こちらの 「いちごシリーズ」。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

いちご柄の可愛さが、子どもたちのハートを掴み、

いちごシリーズの雑貨は、大人気商品となったそうです。

 

・・・・・ところが。

それなら、さくらんぼ柄も売れるはずだと、

続けて売り出したさくらんぼシリーズは、まさかの不発!

そこで、外部のイラストレーターや漫画家に依頼し、

新たなキャラクター商品を開発していくようになります。

その時、デザインを依頼された人物の中には、

内藤ルネや水森亜土さんといった人気イラストレーターも。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

意外なところでは、やなせたかしさんも、

サンリオの創世期にデザインを提供していたそうです。

また、やなせたかしさんは、

サンリオの文芸誌 『詩とメルヘン』 の編集長も務めていたとのこと。

その創刊時に連載されていたのが・・・・

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

『熱血メルヘン怪傑アンパンマン』 という漫画。

そう。アンパンマンも実はサンリオで生まれていたキャラクターだったのです。

 

 

さてさて、話を戻しまして。

人気のイラストレーターや漫画家にデザインを依頼していたサンリオ。

しかし、商品化を前提としてデザインされていないため、

グッズを制作する際に、いろいろ問題が生じるようになりました。

そこで、自社でオリジナルデザインを作るという方向に舵を切ります。

こうして誕生したのが、キティちゃんや、

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

リトルツインスターズ (キキララ)、

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

マイメロディといった、

 

 

 

サンリオを代表するキャラクターたちだったのです。

会場では他にも、シナモンロールや、

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

ポムポムプリン、タキシードサム、ポチャッコなど、

主要キャラクターたちの設定やグッズが紹介されています。

個人的に懐かしかったキャラは、コロピカドン。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

正直なところ、コロピカドンというキャラクター名は知りませんでしたが、

幼稚園児の時に使っていたコップか茶碗かが、確かこのキャラのものだったような。

そうそう、懐かしいといえば。

棚にいっぱい並べられたサンリオグッズの中にあった・・・・・

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

この乗り物のヤツも。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

これもサンリオのキャラクターだったとは!

『日本で生まれ育った人間、サンリオ不可避説』。

そんな説を提唱したいくらいに、サンリオは生活に浸透していたのですね。

 

 

ちなみに。

展覧会にはこんなコーナーもあります。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

こちらは、サンリオのキャラと芸術家がコラボしたアート作品を紹介するコーナー。

紹介されていた中には、金魚絵師の深堀隆介さんや、

動物彫刻家のはしもとみおさんとのコラボ作品もありました。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

お二人の手にかかると、サンリオのキャラがこんな姿に。

実に楽しいコラボです。

 

 

また、サンリオといえば、1975年の創刊以来、

現在もなお発行されている 『いちご新聞』 も紹介されています。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

その存在は知っていましたが、一度も読んだことがない 『いちご新聞』。

どんな記事が書かれているのかというと、

やはりキャラクターについてや、恋愛に関してのものが多いようでした。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

ただ、中には、戦争反対を訴え、

平和を呼びかける大真面目な記事も。

 

©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376

 

 

サンリオと世界平和。

今ひとつイメージが湧かなかったのですが。

実はそもそもサンリオは、悲惨な戦争を体験した創業者が、

「友情と助け合いによる世界平和の実現」 するべく立ち上げた会社なのだとか。

お互いに、モノを贈り合う。

そういうコミュニケーションをとれば、人と人とは争わなくなる。

キャラクターよりも、その根底として、ギフトを生み出す会社なのだそうです。

 

サンリオの理念の奥深さに、思わず感銘を受けました。

カワイイだけじゃない展覧会です。

星星





1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles