現在、六本木ヒルズの東京シティビューでは、
サンリオの創立60周年を記念して、史上最大規模となるサンリオの展覧会、
“サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史” が開催されています。
©2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376
会場に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、
増田セバスチャンさんが今展のために制作した 《Unforgettable Tower》。
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約4000個ものサンリオのキャラクターのぬいぐるみで作られたタワーです。
高さは8mとのことですが、その圧倒的な佇まいゆえ、
眼下に見える東京タワーよりも巨大に感じられました。
さてさて。
展覧会の冒頭で紹介されていたのは、
創世期のサンリオに関する貴重な品々。
実は、サンリオはもとからサンリオだったわけでなく、
山梨シルクセンターという小物雑貨販売の会社だったそうです。
最初はなかなかヒット商品に恵まれなかったようですが、
ただのゴム草履に花柄を付けたところ、これが意外なヒット商品に!
「カワイイものは売れる!」 と確信した創業者は、
カッコよさや美しさ、実用性よりも、カワイイを最優先する商品開発に乗り出します。
そうして誕生したのが、こちらの 「いちごシリーズ」。
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いちご柄の可愛さが、子どもたちのハートを掴み、
いちごシリーズの雑貨は、大人気商品となったそうです。
・・・・・ところが。
それなら、さくらんぼ柄も売れるはずだと、
続けて売り出したさくらんぼシリーズは、まさかの不発!
そこで、外部のイラストレーターや漫画家に依頼し、
新たなキャラクター商品を開発していくようになります。
その時、デザインを依頼された人物の中には、
内藤ルネや水森亜土さんといった人気イラストレーターも。
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意外なところでは、やなせたかしさんも、
サンリオの創世期にデザインを提供していたそうです。
また、やなせたかしさんは、
サンリオの文芸誌 『詩とメルヘン』 の編集長も務めていたとのこと。
その創刊時に連載されていたのが・・・・
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『熱血メルヘン怪傑アンパンマン』 という漫画。
そう。アンパンマンも実はサンリオで生まれていたキャラクターだったのです。
さてさて、話を戻しまして。
人気のイラストレーターや漫画家にデザインを依頼していたサンリオ。
しかし、商品化を前提としてデザインされていないため、
グッズを制作する際に、いろいろ問題が生じるようになりました。
そこで、自社でオリジナルデザインを作るという方向に舵を切ります。
こうして誕生したのが、キティちゃんや、
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リトルツインスターズ (キキララ)、
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マイメロディといった、
サンリオを代表するキャラクターたちだったのです。
会場では他にも、シナモンロールや、
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ポムポムプリン、タキシードサム、ポチャッコなど、
主要キャラクターたちの設定やグッズが紹介されています。
個人的に懐かしかったキャラは、コロピカドン。
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正直なところ、コロピカドンというキャラクター名は知りませんでしたが、
幼稚園児の時に使っていたコップか茶碗かが、確かこのキャラのものだったような。
そうそう、懐かしいといえば。
棚にいっぱい並べられたサンリオグッズの中にあった・・・・・
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この乗り物のヤツも。
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これもサンリオのキャラクターだったとは!
『日本で生まれ育った人間、サンリオ不可避説』。
そんな説を提唱したいくらいに、サンリオは生活に浸透していたのですね。
ちなみに。
展覧会にはこんなコーナーもあります。
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こちらは、サンリオのキャラと芸術家がコラボしたアート作品を紹介するコーナー。
紹介されていた中には、金魚絵師の深堀隆介さんや、
動物彫刻家のはしもとみおさんとのコラボ作品もありました。
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お二人の手にかかると、サンリオのキャラがこんな姿に。
実に楽しいコラボです。
また、サンリオといえば、1975年の創刊以来、
現在もなお発行されている 『いちご新聞』 も紹介されています。
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その存在は知っていましたが、一度も読んだことがない 『いちご新聞』。
どんな記事が書かれているのかというと、
やはりキャラクターについてや、恋愛に関してのものが多いようでした。
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ただ、中には、戦争反対を訴え、
平和を呼びかける大真面目な記事も。
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サンリオと世界平和。
今ひとつイメージが湧かなかったのですが。
実はそもそもサンリオは、悲惨な戦争を体験した創業者が、
「友情と助け合いによる世界平和の実現」 するべく立ち上げた会社なのだとか。
お互いに、モノを贈り合う。
そういうコミュニケーションをとれば、人と人とは争わなくなる。
キャラクターよりも、その根底として、ギフトを生み出す会社なのだそうです。
サンリオの理念の奥深さに、思わず感銘を受けました。
カワイイだけじゃない展覧会です。