■TOVE トーベ
監督:ザイダ・バリルート
出演:アルマ・ポウスティ、クリスタ・コソネン
2020年製作/103分/G/フィンランド・スウェーデン合作
1944年のヘルシンキ。
戦時中、防空壕の中でおびえる子どもたちに語った物語から、
ムーミンの世界を作ったトーベ・ヤンソンは、爆風で窓が吹き飛んだアトリエで暮らしを始める。
彫刻家の厳格な父の教えとは相反する型破りな彼女の生活。
そして、自分の表現と美術界の潮流とのズレが生じていることへの葛藤、
めまぐるしいパーティや恋愛を経て、トーベとムーミンは成長していく。
そして、トーベは舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い、互いに惹かれ合っていく。
(映画.comより)
「トーベ・ヤンソンは、どうやって世界的な作家となったのか。
トーベ・ヤンソンがいかにして 『ムーミン』 というキャラクターを生み出したのか。
トーベ・ヤンソンは、芸術家としてどう成長し、どんな悩みを抱えていたのか。
・・・・・と、まぁ、そのあたりがわかる映画なのだろうと、観始めたのですが。
いきなり、結婚している男性と、そういう関係になるわ。
舞台演出家の女性と出逢い、そういう関係になり、そっちの世界に目覚めるわ。
その不思議な三角関係でゴタゴタするわ。
基本的に、恋愛を軸にした映画でした。
しかも、ドロドロの。
ぶっちゃけ 終始何を見せられてるんだろうという感じでした。
圧倒的な、コレジャナイ感!
上映時間は103分しかないのに、
体感時間はその倍くらいに感じられました。
女性同士の恋愛が受け付けないというわけではありません。
LGBTQに対して何の偏見もありません。
そう断った上での率直な感想ですが、
トーベの恋愛に何の感情移入も出来ませんでした。
描写が雑も雑。
目が合っただけで、2人が付き合い始めるくらいの感じでした。
こんなにも簡単に恋人ができるだなんて。
むしろ、そこに羨ましさすら覚えました。
それほどまでに、トーベが目を惹くほど美人かといえば、そうでもなく (※個人の感想です)。
時々、関ジャニ∞の丸山君に見えました (※これも個人の感想です)。
それから、もう一つ気になったのが、選曲のセンス。
おそらく同時代に流行っていた曲なのでしょう。
『シング・シング・シング』 や 『イン・ザ・ムード』 といった、
有名なジャズの曲が、ここぞというような場面で使用されていました。
ムーミンともフィンランドとも関係ないので、なんだかなぁ。
もろもろセンスが微妙にズレている映画でした。
唯一センスを感じたのは、映画ポスターのデザインくらいです。はい。
『トーベとヴィヴィカの2人の関係が、
トフスランとビフスランというキャラクターに投影されている。』
そんなちょっとしたムーミントリビアはありましたが、
映画の全編を通して、ほとんど 『ムーミン』 は関係なかったです。
トーベがムーミンを描くシーンよりも、
酒を煽るか、タバコを吸ってるシーンのほうが多かったような。
あと、トーベが狂ったように踊るシーンも。
この踊りの動きが、ニョロニョロの動きのヒントになった・・・・・ということはありません。
何でそんなにトーベは踊っていたのだろう?
と思っていたら、最後に (※ネタバレになります!)、
生前のトーベ本人が、狂ったように踊る映像が流れました。
唐突に。
で、そのままエンドロール。
野生爆弾のネタよりもシュールなオチ (?) 。
「大切なのは、自分がしたいことがなにかを、わかってるってことだよ。」
というスナフキンの名言がありますが。
映画にとって大切なのは、監督がしたいことがなにかをわかってることだと思うのです。
ほぼなにもわからなかったです。
(星1.5つ)」
~映画に登場する名画~
《たばこを吸う娘》