ヨックモックの会長でもあり、美術館の館長でもある、
藤縄利康氏が長年収集してきたピカソのセラミック (陶器) 作品。
その質・量ともに世界有数のピカソのセラミックコレクションを公開すべく、
2020年に南青山の住宅街の一角にオープンしたのが、ヨックモックミュージアムです。
ピカソのセラミック作品に特化した美術館だけに、
館内のいたるところに、セラミックが用いられています。
昨年初めて訪れた際には使用しなかったので、気が付かなかったのですが。
エレベーターの床面もまたセラミックとなっていました。
もはや逆にセラミックでないところのほうが、
この美術館では珍しいのかもしれませんね。
さて、開館1年目は、“ピカソ:コート・ダジュールの生活” と題して、
一般的にはあまり知られていないピカソのセラミック作品を総論的に紹介していましたが。
開館2年目となる今年は、「地中海人」 としてのピカソをフォーカス!
“地中海人ピカソ―神話的世界に遊ぶ” と題し、神話や闘牛、魚をはじめ、
地中海の文化や風土に関するモチーフのセラミック作品の数々を紹介しています。
ギネス記録を持つほどに多作だったピカソ。
そのモチーフも多岐に渡っているような印象がありましたが、
ことセラミック作品に限ってみれば、それほどモチーフの幅は広くなかったです。
しかも、そのほどんどが、地中海に関わるモチーフばかり。
あの天才ピカソでさえも、生まれ育った地域からは逃れることができない。
そんな人間としての本質、人間の性を実感させられる展覧会でした。
なお、会場の撮影は本来であればNGですが、
このブログのために、特別に撮影許可を頂きました。
とはいえ、大人の事情により、掲載できる展示風景写真は1点のみ。
さんざん悩んだ末に、こちらの写真を掲載することに決めました↓
奥の壁一面に展示されているのは、ピカソ作のお皿 (注:表面はぼかしてあります)。
そして、手前に見えるのは、《ヴェールをまとう女性》。
表面に描かれているのは、いわゆる三美神です。
よく見ると、描かれている女性の腰のくびれと、
壺のくびれた部分が一致しているのがわかります。
そのおかげで (?)、女性のヒップがより強調されていました。
さすがはピカソ。
女性を知り尽くしています。
ちなみに。
展覧会を観終わった後は、併設されたカフェへ。
こちらではオリジナルグッズも販売されており、
その中に、ヨックモックらしい新商品も販売されていました。
それは、ピカソの作品がデザインされたオリジナル缶のシガール。
通常のシガールの缶も捨てずに取っておきたくなるデザインですが、
このピカソver.のオリジナル缶は、より捨てたくないデザインとなっています。
ヨックモックミュージアムを訪れた際には、是非ゲットしたい商品です。
また、久しぶりに訪れたカフェには、新たなアート作品も設置されていました。
こちらは、スペイン出身のアーティスト、
ハイメ・アジョンによる 《HopeBird》 という作品です。
もちろんセラミックで出来て作られています。
愛らしい作品ですが、気になるのはこの作品のモチーフになっている鳥。
実際に、この 《HopeBird》 に近い鳥はいるのでしょうか?
鳥のことは鳥博士に聴け、ということで、
『高橋君に聞いてみないとネ』 でお馴染みの鳥博士・高橋君に聞いてみました。
すると、こんな見解が。
「黒いドット柄の鳥なんてホントに居ないよ。
全身黒で白いドットならば居るけど。
足が短くて尾も短くてドットでいえば、こんなイメージ↓
シロマダラウズラ。
メキシコにいる鳥みたい。」
確かに、似てるっちゃ似ています。