人形に関する資料を所蔵するミュージアム。
それが、横浜人形の家です。
名前に 「家」 とは付いているものの、
建物としてはかなり大きな横浜人形の家で、
現在開催されているのは、“ペコちゃんと横濱” という展覧会。
日本一有名な企業キャラクターといっても過言ではない、
不二家のペコちゃん、ついでにポコちゃんにスポットを当てた展覧会です。
実は、僕を含め勘違いしている方が多いそうなのですが、
不二家の創業の地は銀座ではなく、横浜の元町なのだそう。
横浜と人形。
確かに、横浜人形の家で開催するに、
これ以上ふさわしい展覧会は無いかもしれません。
展覧会の冒頭で紹介されていたのは、
実際に店頭に設置されていた昔のペコちゃん人形の数々。
さらに今は無き第1号のペコちゃん人形の復刻したものも。
・・・・・・・・誰?!
今のペコちゃんとは似ても似つかない姿でした。
現在とのギャップといえば、初期のミルキーのペコちゃんも!
完全に目がキマッてます。
「ミルキー」 というのはキャンディの名前でなく、何らかのドラッグの隠語なのでは?
そう疑いたくなってしまう代物です。
さてさて、昭和25年に誕生したペコちゃんですが、
“永遠の6歳” という設定が決まったのは、その8年後の昭和33年だったそう。
この年、不二家の歴史に残る大キャンペーンが開催されました。
それが、「ペコちゃんいくつ?」 という大懸賞。
こちらは、ペコちゃんの年齢を予想して応募するというもの。
その最も多かった年齢が、ペコちゃんの年齢に採用されたそうです。
一等商品は、日産の車ルノー (3名様)。
当時の大卒初任給が約14000円だったのに対し、
ルノーの販売価格は、なんと67万円だったそうです。
ちなみに、不二家のミルキーは20円!
なお、この太っ腹な懸賞企画に対し、166万通の応募があったそうです。
また、その翌年には、ミルキーの初めてのTVコマーシャルも誕生。
全編を通じて、『ミルキー行進曲』 なる曲が流れています。
さて、その 『ミルキー行進曲』 の歌詞のラストにご注目↓
「♪ほら ミルキーは ママのあじ」 とあります。
そう、実はこの部分だけが、
今なおCMで使われているのです。
知らなんだ!
展覧会では他にも、さまざまなペコちゃんトリビアが紹介されています。
例えば、「ペコちゃんには公式ライバルがいる」。
また例えば、「キス顔を浮かべるペコちゃんがいる」。
さらに、「ペコちゃんがデザインされた京友禅がある」。
ペコちゃんをテーマにした展覧会と聞いて、
展覧会を訪れるまでは、ニッチな内容を予想していましたが。
意外や意外、幅の広い展覧会でした。
ちなみに。
ペコちゃんは子どもたちに人気なだけでなく、
コレクターズアイテムとしても人気なのだそう。
現在は販売されていないそうなのですが、
毎年暮れに 「ペコちゃんイヤーズドール」 なる商品を販売していたのだとか。
これらは陶器製のビスクドールで、
衣装も毎年凝って制作されていたそうです。
なるほど。これは集めたくなりますね。
実は、この展覧会の開催を記念して制作された、
横浜人形の家オリジナルのペコちゃんソフビ人形もあります。
こちらは展覧会を鑑賞した人のみが応募できる抽選制。
かなりのレアアイテムになることは間違いありません。
手に入れるのは、ミルキーほどは甘くなさそうです。