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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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秀英体111 秀英体ってどんな形?

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今年2月に市ヶ谷にオープンした、

印刷の美しさや奥深さ、楽しさを体感できるミュージアム。

それが、市谷の杜 本と活字館

DNPが運営するミュージアムで、

完全予約制、入場無料で楽しめます。

 

そんな本と活字館で現在開催されているのが、

“秀英体111 秀英体ってどんな形?” という展覧会です。

 

 

 

来年2022年は、DNPが前身である秀英舎の時代から、

今なお開発を続けているフォント 「秀英体」 が誕生して111年という節目の年。

「築地体」 と並び、“和文活字の二大潮流” と称される 「秀英体」。

もし、その名にピンと来なくても、人生で何度も秀英体は目にしているはず。

例えば、『週刊新潮』 や広辞苑に使われているフォントも秀英体です。

そんな秀英体の誕生111周年を記念して開催される秀英体が主役の展覧会です。

 

 

・・・・・・・とだけ聞くと、めちゃめちゃニッチで、

めちゃめちゃマニアックな内容を想像されたでしょうが。

実験的タイポグラフィユニットの大日本タイポ組合が、

告知物や展示のデザインを担当したのもあり、とても楽しい内容となっていました。


まず用意されていたのは、こんなコーナー。

 

 

 

秀英体の 「秀英明朝」 の最大の特徴の一つ、

筆脈の繋がった一筆の線を利用したその名も、「もじめいろ」 です。

 

 

 

こちらは、筆脈が繋がっている 「秀英明朝」 だからこそ成立する迷路。

 

 

 

もちろん、展示会場で遊ぶこともできますが、

なんと太っ腹にも、この迷路は持ち帰り可能となっています。

 

 

お次のコーナーは、「もじかたち」

 

 

 

一見すると、ただのイラストですが。

(いや、明らかに目につく部分はありますが、

 そこは広い目でスルーしてあげるのが大人です。)

実は、これらのイラストの中に秀英体が潜んでいるのです。

例えば、こちらのイラスト。

 

 

 

一体、どこに秀英体が隠れているのでしょう?

答えを知りたい方は、下のボタンをポチッとな。

すると、秀英体が浮かび上がってきます。

 

 

 

正直なところ、それ自体は、そこまで面白くなかったですが (笑)

添えられたフレーズが、斜め上をいくものが多かったです。

個人的にお気に入りなのが、こちらのイラストのもの。

 

 

 

浮かび上がってきたフレーズは・・・・・

 

 

 

世代の人間にしかわからないネタです。

 

 

「もじめいろ」 「もじかたち」 に続いて、

用意されていたのが、「もじくらべ」 のコーナー。

 

 

 

このコーナーは、今展の主役・秀英体の 「秀英初号明朝」 と、

ヒラギノ明朝、リュウミンという他社の2つの明朝体と比べてみるというもの。

ただ、その比べ方が、あまりにも独自路線すぎて・・・・・(笑)

 

例えば、『あ』 の文字。

「いちばん読みやすいフォントは?」 でも、

「いちばん目を惹くフォントは?」 でもなくて。

 

 

 

「いちばんスポーティーなのは?」 で比べています。

で、結果がこちら↓

 

 

 

他にも、「いちばん梨をさしやすいのは?」 や、

 

 

 

「いちばん火薬が多かったのは?」、

 

 

 

東京オリンピックネタを絡めた 「いちばんゴン攻めしてるのは?」 などがありました。

 

 

 

結局どれも 「秀英初号明朝」 の勝ち。

これ以上ないくらいの出来レースでした。

・・・・・・・てか、冷静に考えて、

“いちばん火薬が多かった” って何だよ (笑)?!

 

 

さてさて。

これほどまでに秀英体を見続けさせられると、

否が応でも、秀英体を見分けられるようになってきます。

そこで用意されていた最後のコーナーが、「もじさがし」 です。

 

 

 

このシートの中から、秀英明朝と秀英初号明朝それぞれの、

「し」「ゅ」「う」「え」「い」「た」「い」 の7文字、計14文字を見つけ出せばクリア。

受付時にもらえるこの透明シートを使って答え合わせすることができます。

 

 

 

展覧会を観始めた頃は、秀英体の 「し」 の字も知らなかった僕ですが。

「もじさがし」 をする頃には、

スムーズに秀英体を探せるようになっていました。

楽しく学べる、を地で行く展覧会です。

秀英体を見分けられるようになりたい方は是非!

星

 

 

ちなみに。

喫茶コーナーでは、展覧会コラボメニューが展開されていました。

 

 

 

秀英初号明朝 (抹茶ラテ) と秀英明朝L (カプチーノ) です。

悩んだ末に、カプチーノのほうをオーダー。

おまけに、秀英体カードも付いてきました。

 

 

 

 

最後に、秀英体とは特に関係ないのですが、

常設コーナーで仕入れた知識を一つご紹介いたしましょう。

 

 

 

活字を組む際に行間を作るための鉛の板のことを、「インテル」 というのだと。

 

 

 

コンピューターだけでなく、

書籍や雑誌にもインテルは入っているようです。





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