とある催事でのアートツアーのオファーがあり、
人生で初めて、北海道の地へとやってきました。
なんと、その日は、札幌における24時間降雪量が観測史上最多を記録した日。
北海道デビューの熱い洗礼、いや、寒い洗礼を浴びせられました。
と、それはさておき。
北海道を訪れる際に、「まず観に行かなくては!」 と思っていたのが、JR札幌駅。
というのも、駅の構内には、さまざまなアート作品が点在しているのです。
何よりも特徴的なのは、アイヌに関するアートが多数設置されていること。
数あるアイヌのアートの中には、こんな作品も。
現代アイヌ工芸作家・貝澤幸司 (1962~2014) による 《ぬし》 という作品です。
“アメマスが海の底で葉巻をくわえながらパソコンを広げ、ルアーを検索している” 姿なのだそう。
魚たちも釣られないように、日々情報取集しているのですね。
さて、JR札幌駅の構内には、他にもまだアート作品はありますが。
一番のお目当てだった作品が、こちらです↓
続・無料で観れる 美術百選016
藤戸竹喜 《エカシ(長老)像》
作者は、北海道に生まれ、北海道でその生涯を閉じた伝説の木彫家、藤戸竹喜。
今年の夏に、道外初となる大規模な回顧展が、
東京ステーションギャラリーで開催され、大きな話題に。
2021年もっともブレイクしたアーティストの一人です。
一瞬、矢が貫通しているのか、と、ギョッとしましたが。
どうやら、矢を口に咥えているだけのようでした。
禰豆子スタイルの長老です (←?)。
しかし、まぁ、つくづく藤戸竹喜という人物の非凡さには驚かされます。
360度どこから観てもリアル!
観れば観るほど、本当にそこに、
長老が存在しているような気がしてきます。
今にも動き出しそうな。
息遣いが聞こえてきそうな。
そんなリアリティがあります。
変な話、木製なのに、木であると感じられなかったほど。
生身の人間としか思えませんでした。
ちなみに。
ブログに使用する写真を撮るために、
わりと長いこと待ち続けなければなりませんでした。
というのも、渋谷駅でいう忠犬ハチ公像に相当するのでしょうか。
待ち合わせスポットとして多くの方が利用しており、
なかなか 《エカシ(長老)像》 だけになるタイミングがやってこなかったのです。
道民の皆様にとっては、こんなやり取りが普通に行われているのかも。
「明日は札幌駅集合で」
「了解!じゃあ、長老の前で」
「わかった、長老の前ね」
日本広しといえど、長老で待ち合わせをするのは、札幌駅くらいなものでしょう。
<無料で観れる美術 データ>
JR札幌駅
住所:北海道札幌市北区北6条西4丁目