北海道立近代美術館に行ってきました。
昨日お伝えしたように、僕が北海道を訪れたその日は、
札幌における24時間降雪量が観測史上最多を記録した日。
美術館の周囲はすっかり雪に覆われていました。
・・・・・・・・もちろんアート作品も。
誰の何のアート作品か存じ上げませんが。
すっぽりと包まれているせいで、クリストの作品っぽくなっていました。
ぜんぶ雪のせいだ。
ちなみに。
雪が多い土地柄なのでしょう。
他の美術館に比べて、ロッカーが大きかったです。
都内の美術館にはロッカーが小さめなところが少なくなく。
冬になると、バッグとダウンジャケットを、
ぎゅうぎゅうに押し込めなざるを得ないことが多々ありますが、
北海道立近代美術館では、そのストレスに苦しめられることはなさそうです。
と、それはさておき。
間もなく、開館45周年を迎える北海道立近代美術館。
開館以来、収集を続け、そのコレクション数は5600点を超えるそうです。
それらのコレクションをジャンルに絞って紹介しているのが、
展示室Aで開催中の “【近美コレクション】コレクション・ストーリーズ”。
2021年を通じて、シリーズで開催されているそうで、
現在開催中の第4期では、3つのジャンルにスポットが当てられています。
まず1つ目が、ヨーロッパの版画。
今でこそコレクションする公立の美術館は多々ありますが、
何を隠そう、道近美は早い段階からヨーロッパの版画の収集に力を入れていたのだそう。
そのコレクションの幅は、実に広く。
北方ルネサンスを代表するデューラーから、
最後の古典巨匠と呼ばれるスペインのゴヤ、
ノルウェーを代表する巨匠ムンクまで。
美術界のスーパースターたちの版画作品を取り揃えています。
なお、2月から始まる後期では、作品をすべて入れ替えて、
ピカソやシャガール、ルオーといった20世紀の巨匠たちの版画を紹介するそうです。
そんな充実した西洋版画コレクションの中には、
日本では珍しい技法で作られた版画もありました。
こちらは、カミーユ・コローの 《ペリクレスの庭園》 という作品。
クリシェ=ヴェールという聞き慣れない技法で作られています。
クリシェ=ヴェールには、「ネガ・ガラス」 という意味があるのだそう。
ガラス板に針などで線を描き、
そこにを光を透過させ、感光紙に焼き付けるというもの。
つまり、版画と写真を併せたような技法です。
インクを一切使わないこの画期的な技法に、
コローやミレーらバルビゾン派の画家たちは夢中になったそうですが。
その後、写真が発明されると、クリシェ=ヴェールは一気に廃れてしまったそうです。
さてさて、ヨーロッパの版画とともに、
道近美が開館から収集に力を入れていたというのが、
アール・ヌーヴォーやアール・デコのガラスのコレクション。