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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+

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2020年春に開催される予定が、

新型コロナウイルス発生の影響で、翌年春に延期に。

さらに、第4波の影響で、再延期が決定。

会期の見通しが立たないまま、半年以上が経過。。。

フェイドアウトの可能性も無きにしも非ずだった芸術祭、

“房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+” が、

ようやく、年内に滑り込む形で開催されることとなりました。

 

キャッチコピーは・・・・・

 

晴れたら市原、行こう。

 

 

ということで、冬晴れの日に、市原に行ってきました。

 

 

 

房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックスは、

越後妻有アートトリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭と並んで、

アートディレクターの北川フラムさんが手掛ける芸術祭の一つです。

舞台は、千葉県の中央に位置する市原市。

市内に点在する里山や閉校した学校などで、

国内外のアーティストたちによるアート作品が展開されています。

 

日本全国でさまざまな芸術祭が開催されていますが、

いちはらアート×ミックスの一番の特色は何といっても、

レトロなローカル線として人気の小湊鉄道の車両基地や駅舎が舞台となっていること。

 

 

 

「旅×アート」 の芸術祭は数多くあれど、

「鉄道旅×アート」 の芸術祭はここくらいではないでしょうか。

アートファンにはもちろんのこと、

鉄男さん、鉄子さんにもオススメできる芸術祭です。

星星

 

 

なお、小湊鉄道の駅舎を舞台にしたアート作品は多々ありますが。

その中で個人的に一番印象に残っているのは、上総久保駅にある西野達さんの作品です。

 

 

 

その名も、《上総久保駅ホテル》

無人駅の駅舎にラグジュアリー風なホテルスペースが出現!

そのあり得ない違和感に驚かされること必至の作品です。

しかも、このホテルスペースは、

実際に宿泊することが可能なのだそう。

(ただし、一般客の宿泊は受け付けていません)

駅舎と一体化したホテルだなんて、日本広しといえど、

この 《上総久保駅ホテル》 か、東京ステーションホテルくらいなものでしょう。

 

 

ちなみに。

今の時期は日没が早いこともあって、

主な施設は16時までの営業となっています。

ただし、駅舎で展開される作品の多くは、終電まで鑑賞が可能。

なんならライトアップされるので、夜のほうが映える作品も多いです。

 

 

 

時間に余裕のある方は、16時以降も、

小湊鉄道沿線を巡ってみてはいかがでしょうか?

 

 

さてさて。

1日では到底すべての会場を巡ることができず (汗)、

どうにかこうにか半数以上の会場を巡ることができました。

その中で特に印象的だったのが、月出工舎 (旧月出小学校) です。

 

 

 

学校の校舎にズドンと突き刺さったかのような・・・・・

 

 

 

この土壁は塩月洋生さんによる 《閒(あわい)》 という作品。

ダイナミックながらも、違和感なく校舎と調和しており、

むしろ、元からここにあったかのような印象を受けました。

 

また、校舎の側面には、先日ポーラ美術館のイベントで、

一緒にインスタライブを行った岡田杏里さんの作品がありました。

 

 

 

目に飛び込んできた瞬間に、パッと心が明るくなるような。

観れば観るほど、元気になれる作品です。

 

そんな月出工舎内で思わず二度見してしまったのが、

ベルリン在住のアーティスト田中奈緒子さんによるこちらの作品。

 

 

 

壁男ならぬ壁学校机。

観れば観るほど、心がぞわぞわする作品です。

岡田さんの作品と田中さんの作品で、

ちょうどプラマイゼロになりました (←?)。

 

 

最後に、“いちはらアート×ミックス2020+” の個人的MVP作家をご紹介。

その作家とは、冨安由真さん。

今年1月に開催されたKAAT神奈川芸術劇場での個展も大反響だった気鋭のアーティストです。

 

 

 

彼女は、旧平三小学校を舞台に、

2つのインスタレーション作品を展開しています。

 

 

 

現実と虚構の境目をぐらつかせるような、

インスタレーションを次々に発表してきた冨安さん。

今回の2作品は、現時点での集大成ともいうべき作品です。

どちらの作品も、細部の細部まで作り込まれており、

これまで以上に、現実と虚構の境目をぐらつかされました。

作品を鑑賞していたのは、14時頃だったのですが、

なぜか学校裏の林の奥から、終始ニワトリの鳴き声が聞こえていました。

あれは現実だったのか、それとも幻聴だったのか。

いまだに判断が付きません。





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