21_21 DESIGN SIGHTで開催中の展覧会、
“2121年 Futures In-Sight” に行ってきました。
今年2021年から100年後の2121年、
未来 (future)の世界はどうなっているのか。
その洞察 (insight) をしようと試みる展覧会です。
展覧会はまず未来の話をする前に、
過去から現在までを体感するインスタレーションから始まります。
宇宙の誕生から現在まで。
その138億年という長い年月を、
地球時間1年に置き換え、紹介していました。
もし、ビッグバンが起こった日を1月1日とすると。
地球が誕生するのは・・・・・
9月頃になるのだそう。
さらに、生物が誕生するのは、もっと先になります。
魚類が誕生したのが、12月17日。
両生類は12月22日、恐竜は12月25日に誕生したそうです。
年末進行でバタバタしていますね。
ちなみに。
我らヒトが誕生したのは、
12月31日の14時24分とのこと。
火が発見されるのは、そこから約10時間半後。
『ゆく年くる年』 が始まる頃に、ようやく発見されたのですね。
そんな138億年の歴史を体感したあとに現れるのが、今展のメイン会場です。
会場は、いつになくモノクロの世界。
いつになくテキストが溢れていました。
これらは、デザイナーやアーティスト、
思想家、エンジニア、研究者といった今展の参加者それぞれが・・・・・
「Future Compass」 と名付けられたツールから導き出した問いに答えたもの。
3層の円盤で構成された 「Future Compass」 のキーワードを自由に組み合わせることで、
『Who Present Mean?』 や 『Where Future Start?』 など数百通りの問いが生み出せるそうです。
このフォーマット自体は興味深かったですが、
情報量が多く、すべてを読み込むのに大変苦労しました。
もう少し内容を整理してくれてもよかったような。。。
未来がテーマの展覧会にも関わらず。
膨大なテキストを目で追うという、
アナログな体験を終始させられました (笑)
なお、自らが立てた問いに対して、テキストではなく、
デザイナーの佐藤卓さんの 《ゴミの概念が変わる?》 や、
深澤直人さんの 《REAL FOOD》 のように、
プロダクトでアンサーするパターンも。
それらの中で個人的にもっとも印象に残っているのが、
東京藝術大学のSputniko! Labに属する岩藤愛実さんが手掛けたこちらの作品です。
バイオハザードマークがある毒々しい見た目ですが、
タイトルは 《幸せになるウイルス》 と、真逆の性質の作品です。
現在のテクノロジーでもすでに、
ウイルスの一部をデザインすることが可能なのだそう。
ということは、100年後には、普通にウイルスはデザインできているのかも。
ウイルスというと、100%悪いような印象を受けますが。
なんでもこのウイルスは人のニューロンに感染し、
幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンを発現させるのだとか。
つまり、感染した人が幸せになるウイルスなのだそうです。
コロナウイルスも、こういうウイルスに変異すればよいのに。
それからもう一つ印象に残っているのが、
クリエイティブ集団PARTYによる 《バック(キャスト)します》 という作品です。
タイトルの元ネタになっている 「バックキャスティング」 とは、
現在から未来を考えるのではなく、未来のあるべき姿、ありたい姿から、
逆算して “いま何をすべきか” を考える思考法のこと。
その思考法を車の運転映像で例えたユニークな体験作品です。
随所に仕掛けもあって、とても楽しい作品でしたが、
欲を言えば、現在や未来を行ったり来たりするので、
車の形はデロリアンのイメージに近づけて欲しかったです。
最後に。
21_21 DESIGN SIGHTへの陳情というか鬱憤を。
一体いつになったらロッカーを導入してくれるのでしょう?
荷物と上着を抱えて鑑賞しなければならず、あまり集中できませんでした。
100年後の未来をインサイトするよりも先に、そこについても考えてほしいものです。