現在、根津美術館では、寅年の2010年以来、
実に12年ぶりとなる染織品にスポットを当てた展覧会が開催されています。
その名も、“文様のちから 技法に託す”。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
会場には、根津美術館が所蔵する染織品が一堂に!
黒を基調としたシックな空間に立ち並ぶ色とりどりのファッション。
その光景は、東京ガールズコレクションのランウェイを彷彿とさせるものがありました。
おそらく、これらの着物は桃山時代や江戸時代、
当時のファッショニスタたちが身にまとっていたものなのでしょう。
着物というと、クラシカルな印象を受けますが、
いつの時代も、攻めたファッションはあるもので。
意外とゴージャスなものが多かったです。
マツケンサンバの衣装くらいにゴージャスです。
また、着物繋がりで 《誰が袖図屏風》 も紹介されていました。
さらに、《誰が袖図屏風》 風に、
衣桁に着物を掛けてみた再現 (?) 展示も。
絵画ではよく目にしていた光景ですが、
実際の姿を観てみると、それなりに迫力がありました。
西洋のドレスと違って、こういう風に掛けられるのは、着物が平面的であるがゆえ。
美術の世界だけでなく、身に付けるものが平面的。
さすが平たい顔族です (←?)。
ちなみに。
今回紹介されていた数々の着物の中で、
とりわけ印象的だったのが、《紫絽地御簾に猫草花模様単》。
雨脚は強く、風は吹きすさぶ。
そんな悪天候の情景をモチーフにした着物です。
全体から情念のようなものが発せられていました。
一体、どんな人がどんな時に着るのでしょう??
TPOがまったく想像つきません。
唯一頭に浮かんだのは、石川さゆりが 『天城越え』 を歌う時くらいです。
なお、この着物の裾の方に目をやると・・・・・
毛並みの美しい猫がいました。
首輪をつけているので、飼い猫なのでしょう。
野生でない猫にとっては、この状況は過酷なはず。
どうぞ無事に乗り切れますように!
それからもう1枚、印象的だったのが、
メインビジュアルにも使われている 《茶地立涌雪持松模様縫箔》。
雪を冠した松をモチーフにした斬新なデザインです。
このセンスは全然マリメッコに負けていません。
というか、マリメッコがこの時代の日本の着物にインスパイアされているのかもしれません。
なお、ちょうど取材に訪れた日の前日に、
東京では珍しく雪が降り、10㎝近く積もったため、
根津美術館の庭園はすっかり雪景色に。
奇跡的に、《茶地立涌雪持松模様縫箔》 ばりに、
雪を冠した松の姿を庭園で目にすることができました。
願わくば、もう少し雪があったほうが、
より 《茶地立涌雪持松模様縫箔》 感が増しますが。
やらせなしがモットーのブログなので (?)、
庭園で目にしたままの姿でお届けしております。
ちなみに、
続く第2章では、文様をより深掘りすべく、
陶磁器や工芸品などと比べることで、染織品との違いを浮かび上がらせていました。
数ある展示品の中で特に印象的だったのが、
唐時代に作られたこちらの 《雲龍八花鏡》 です。
龍の “ヒャッハー” 感たるや。
赤塚不二夫漫画のキャラクターかと思いました。
これでいいの・・・・・か?!