現在、千葉市美術館で開催されているのは、
“ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵” という展覧会です。
(注:展覧会は一部撮影可。展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
19世紀後半に欧米で起こった日本美術ブーム。
それが、ジャポニスム。
モネやクリムトなど、多くの芸術家が日本美術の影響を受けました。
そんなジャポニスムをテーマにした展覧会は、
これまで日本各地で数多く開催されていますが。
今展では、西洋の芸術家に特に影響を与えた浮世絵が主役。
ジャポニスムを通じて、改めて浮世絵の魅力を再発見しようという展覧会です。
展覧会は、全10章立て。
プロローグとエピローグの他に、
「大浪のインパクト」 や 「俯瞰の構図―空」 といった形で、
ジャポニスムの作品を対比するように浮世絵が紹介されています。
海外の芸術家が浮世絵のどこに魅力を感じ、
それを自作にどう取り入れたのかを知ることで、
改めて、浮世絵の特徴や性質が浮き彫りに。
日本LOVERな外国人のおかげで、日本文化の良さに気が付く。
『Youは何しに日本へ?』 のような展覧会です (←?)。
なお、千葉市美術館が所蔵するものももちろん出展されていますが、
東京国立博物館や山口県立萩美術館・浦上記念館といった国内の美術館が所蔵するもの、
さらには、メトロポリタン美術館やプーシキン美術館といった海外の美術館から来日しているものも!
オミクロン株が大変になってきたこのタイミングで、
これだけの規模の展覧会が開催されているのは奇跡的といえましょう!
それも加味して、3ツ星。
ちなみに。
嬉しいことに、浮世絵作品の一部は写真撮影が可能となっています。
待ち受け画面にしたい方は、この機会にぜひ。
喜多川歌麿、葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳など、
会場には浮世絵界のスーパースターが勢ぞろいしていますが。
ジャポニスム側も負けてはいません!
ゴッホやロートレック、ムンクなど、
西洋美術界のビッグネームが名を連ねています。
ただ、個人的には、今回の展覧会においては、
ビッグネームよりも、じゃないほうの芸術家たちの作品に惹かれました。
とりわけ強く印象に残ったのが、ロシアのジャポニスムの作品。
フランスやイギリス、オーストリア、
アメリカのジャポニスムはよく紹介されていますが。
まさかロシアでもジャポニスムがあったとは。
そのことを知れたのは、今回の大きな収穫です。
ちなみに。
ジャポニスムの作品の中で特に印象に残っているのは、
ポール・エリュなるフランスの画家の 《白い婦人》 という一枚です。
他の画家の作品は明らかに浮世絵に影響を受けていましたが、
彼だけは、浮世絵に影響を受けたモネに明らかに影響を受けていました。
それはもうジャポニスムではなく、モネニスム (?) なのでは??
最後に。
ジャポニスムとは関係なく、気になってしまった作品をご紹介。
鍬形蕙斎による 《聖代奇勝(東都繁昌図巻)》 です。
人で賑わう両国橋の光景の中に、
何やら気になるものが描かれていました。
時空の歪み?
もしくは、ワームホール?
ターミネーター的なものが現れるのかもしれません。
ダダンダンダダン。
(↑昨日の記事とオチがかぶりました)
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