浅草橋駅より歩くこと数分。
一見すると何の変哲もないこのビルの6階に・・・・・
昨年11月、日本初となる、
世界でも珍しい美術館が開館しました。
その名は、東京タロット美術館。
その名の通り、タロットカード専門の美術館です。
運営しているのは、1970年代に日本で初めて、
タロットカードの輸入販売を行ったニチユー株式会社。
館内にディスプレイされているのは、
そんなニチユーが所有するタロットカードコレクション。
(注:展覧会は一部撮影可。展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
世界的にも希少なものを含む約3000種のタロットカードから、
約500種ほどを適宜入れ替えながら展示公開しているそうです。
実は、タロットカードは、海外では切手と同様に、
ポピュラーなコレクターズアイテムの一つとのこと。
バリエーションも豊富ながら、純粋に美しい絵柄のものが多く、
想像していた以上に、タロットカードの世界は奥深いものでした。
東京タロット博物館でなく、東京タロット美術館であるのも納得です。
さてさて、美術に関して言えば、
ボッティチェリの絵画をデザインしたタロットカードや、
バンクシーやアールヌーヴォー、アールデコのタロット、
マニアックなところでは、小原古邨のタロットカードなんかもありました 《しかも、スイス製!)。
なお、これらのタロットは、アーティスト自身が、
そのデザインを描き起こしたというわけではないですが。
展示されていたタロットの中には、
「20世紀最大の鬼才」 と呼ばれるあの芸術家自身がデザインしたタロットも。
そう、ダリデザインのタロットです。
こちらは、ダリ80歳の誕生日を記念して出版されたものなのだとか。
ちなみに。
映画 『007 死ぬのは奴らだ』 の小道具として作られたタロットなど、
ごく一部のタロットカード以外を除き、
館内にあるタロットは、すべて購入することができます。
それらの中には、『絶版品』 となっている激レアなタロットカードも。
「そういうものは当然お高いんでしょ?」 と思いきや、
展示されていたタロットカードのほとんどが5000円前後でした。
あれ?思ったより高くない。
ポストカード全種セットと、ほとんど変わらない価格帯なのでは?
なるほど。それはコレクションしたくなるわけです。
なお、額装されていないタロットの絵柄は、
ファイリングされたカタログで閲覧できるようになっているので。
館内にあるライブラリースぺースで、
それらのカタログをゆっくり閲覧することも可能です。
また、ライブラリースペースでは、
充実したタロット関連書籍を読むもよし。
サンプルのタロットを手に取って、
自分自身と向き合ってみるもよし。
思い思いの時間を過ごせるようになっています。
なお、タロットに詳しくないという方もご安心を。
スタッフさんに聞けば、基本的なことは教えてくれますよ。
かくいう僕もタロットに関しては、
『金田一少年の事件簿』 の 「タロット山荘殺人事件」 で得た知識しかなかったので。
館の皆様に、初歩の初歩から教えて頂きました。
いろいろ勉強になりましたが、何よりも驚いたのは、
“タロット” と呼んでいるのは日本人だけという衝撃的な事実!
タロットがさかんなフランスでは、“タロ” と呼ばれているそうですよ。