東京国立博物館で開催中の特別展 “ポンペイ” に行ってきました。
ヴェスヴィオ山の噴火により、
一夜にして灰に埋まってしまった古代ローマの都市ポンペイ。
その遺跡から発掘された膨大な遺物を収蔵するナポリ国立考古学博物館から、
モザイク画やフレスコ画、彫像の傑作など日本初公開を含む約150点の名品が来日!
まさに、「ポンペイ展の決定版」 ともいえる展覧会です。
また、会場では、ポンペイの遺跡の一部が再現展示されています。
例えば、こちらは、「悲劇詩人の家」 の再現展示。
壁や床はもちろん再現ですが、
壁に掛けられているフレスコ画は再現ではなく、本物です。
また、『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』 にも登場した犬の床絵も忠実に再現されています。
こちらは、『猛犬注意』 を表すモザイク画なのだとか。
古代ローマにも、『猛犬注意』 のシステムはあったのですね。
なんだか急に親近感が湧いてきました。
また、ポンペイきっての大邸宅 「ファウヌスの家」 の一部も再現展示されています。
この邸宅の床にあるモザイク画 (再現) が、こちら↓
その一部に、教科書などでお馴染みのあの顔がありました。
そう。アレクサンダー大王です。
教科書などでは、ワイプで抜かれたような感じ (?) で掲載されていたため、
その全体像を知る由が無かったのですが、モザイク画の一部だったのですね。
しかも、床面の。
ということは、このアレクサンダー大王の顔は、
何度も住人たちに踏みつけられていたのでしょうね。
それでも顔色一つ変えていないのは、さすが人類最強の英雄です。
ポンペイ遺跡の一級品の数々に。
ポンペイ遺跡の再現展示の数々に。
会場に一歩足を踏み入れると、当時のポンペイに、
タイムスリップしたかのような感覚に陥ること請け合いです!
逆 『テルマエ・ロマエ』 気分が味わえる展覧会でした。
・・・・・・なんてことを思っていたら、
展覧会場で、リアル 『テルマエ・ロマエ』 な人物と遭遇!
もしや古代ローマからお風呂場を通じてやってきたのかと思いきや、
筋肉モデルのAMONさんが扮するその名も 「#ポンペイくん」 とのこと。
会期中不定期に会場に出現して、ポンペイ展を盛り上げていくのだそうです。
なお、今展は基本的に写真撮影が全面的にオッケー!
運が良ければ、「#ポンペイくん」 とポンペイっぽい写真が撮れますよ。
さてさて、ここからは個人的に印象に残った展示品をいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、こちらのウェヌス (=ヴィーナス) 像から。
ほぼほぼ裸のようですが、
胸元と下腹部には金彩が施されており、
その見た目から、《ビキニのウェヌス》 と呼ばれているのだとか。
そんなウェヌスの足元にいるのは、
ウェヌスの子であるクピド (=キューピット) です。
いくらなんでも小さすぎるような・・・。
それから、もう一つ印象的だった彫像が、
《ヘルマ柱型肖像(通称「ルキウス・カエキリウス・ユクンドゥスのヘルマ柱)》 です。
ヘルマ柱とは、石やテラコッタ、ブロンズで作られた正方形、あるいは長方形の柱。
ペッツのような感じ (?) で柱の上に乗っているのは、
ルキウス・カエキリウス・ユクンドゥスなる人物だそうです。
それはそうと、何より気になるのが・・・・・その・・・・・あれです。
柱から飛び出している・・・・・・あれ。
何でむき出しなんでしょう?
とりあえず、しまってもらえませんか??
彫像だけでなく、フレスコ画やモザイク画にも、
現代の眼で観ても十分に惹かれる作品は数多くありましたが。
個人的に特に印象に残っているのは、
とある外壁に描かれていたというこちら↓
まるでグラフィティーアートのようですが、
実は、こちらは賃貸の広告文なのだそうです。
家主の名前、賃貸物件、賃貸の開始日、
さらに、契約期間などが書かれているそうです。
『猛犬注意』 もそうでしたが、
賃貸広告のシステムも、今とほぼほぼ変わらないのですね。
それだけの文明が一夜にして消えてしまうだなんて。
いかに噴火が恐ろしいものなのかということを、
トンガのニュースもあり、よりリアルに感じられました。
どうかトンガの皆様が無事でありますように。