日本で唯一の公立の楽器博物館、
浜松市楽器博物館に約2年ぶりに行ってきました。
アフターコロナで訪れるのは初めて。
楽器を専門に扱う博物館だけに、
消毒液スタンドのペダルもピアノ仕様となっていました。
また、ソーシャルディスタンスを保つために、館内の椅子には、
世界各国の楽器を実物大にプリントしたものが置かれていました。
浜松市楽器博物館を訪れる方は、きっと楽器が好きなので、
プリントされたものとはいえ、楽器に座ることができないのでしょう。
踏み絵的な感じで。
なお、寅年ゆえに、展示室入ってすぐのところには、
三沢厚彦さんの彫刻作品のような虎の形をしたオブジェが置かれていました。
・・・・・と思ったら、韓国の雅楽で使用される楽器とのこと。
世界にはいろんな楽器があるのですね。
さてさて、現在、浜松市楽器博物館で開催されているのは、
“テルミン誕生101年 電子楽器の過去と未来” という展覧会です。
アフターコロナというもの、
検温器やらタッチパネルやら、
さまざまなものが非接触となっています。
そんな時代を先取りしたかのような楽器がテルミン。
ロシアのレフ・セルゲーエヴィチ・テルミンによって、
1920年に発明された非接触で演奏できる電子楽器です。
誕生から今年でなんと101年。
意外と歴史が深い楽器なのですね。
ちなみに。
テルミンが発明された1920年に、ラジオ放送が始まったそうです。
テルミンの歴史の深さたるや。
そんなテルミンのすぐ隣に展示されていたのが、オンド・マルトノ。
フランス人電気技師モーリス・マルトノによって1928年に発明された電子楽器です。
一見すると、ピアノやオルガンといった鍵盤楽器のようですが、
リングを指にはめ、ワイヤ伝いに左右に移動させることで音を出す楽器なのだとか。
そして、こちらのインドの楽器っぽいのは、オンド・マルトノの専用スピーカー。
テルミンと比べて、だいぶスペースが必要となる楽器です。
正直なところ、この楽器のことを全く知らなかったのですが、
パリ国立高等音楽院には、オンド・マルトノ科が存在しているようです。
フランスではポピュラーな楽器なのですね。
展覧会では、テルミンとオンド・マルトノ以外にも、
20世紀に発明されたさまざまな電子楽器が紹介されています。
電子楽器という言葉だけ聞くと、いまいちイメージが湧かないかもしれませんが。
例えば、YMOでお馴染みのシンセサイザーも電子楽器。
小室哲哉でお馴染みのキーボードも電子楽器。
サンプラーもまた電子楽器の一種です。
展覧会を通じて、テルミンから始まった電子楽器は、
今や音楽シーンに欠かせない存在となっていることを実感させられました。
ありがとう電子楽器。
これからもよろしく電子楽器。
ちなみに。
展覧会ではちょっと変わった電子楽器も紹介されていました。
こちらは、昭和50年頃に発売されたという電子アコーディオン。
その名も、スピーロン。
見た目はなんか可愛らしい感じですが。
ポスターのコピーには・・・・・
想像を絶する迫力音とありました。
怖っ。
そんな楽器を弾こうとしている女性の笑顔も怖いです。
怖いと言えば、集合体恐怖症 (トライポフォビア) の方は、
直視できないであろう電子キーボードも紹介されていました。
その名は、ホールトーン・レボリューション。
押すところがたくさんありすぎて、
一体、何がどうなっているのやら・・・。
まさにレボリューションな楽器です。
その演奏方法がめちゃめちゃ気になったので、
すぐさまQRコードを読み取って、動画を再生してみることに。
・・・・・・動画を観ても、仕組みがよくわかりませんでした。
普通の電子キーボードでよくね??
最後に、もっともインパクトがあった電子楽器を。
テルミンの機能をマトリョーシカの中に収めた、その名もマトリョミンです。
発明したのは、日本のテルミン奏者なのだそう。
展示されていたのは、ME03型。
現行は、ME04型が販売されているそうです。
人知れず、マトリョミンは進化し続けている―。