アーティスト美術館の前身であるブリヂストン美術館が開館したのは、1952年のこと。
そこから数えて、今年でちょうど70年の節目の年。
それを記念して、現在アーティゾン美術館では、
“はじまりから、いま。 1952‐2022 アーティゾン美術館の軌跡-古代美術、印象派、そして現代へ” が開催されています。
70年の歴史を振り返る展覧会だけに、
内容はいつも以上にスペシャルなものに。
石橋財団コレクション約2800点の中から、
特に人気の高い約170点が惜しげもなく展示されています。
また、アーティゾン美術館としてリスタートしてからは、
一挙展示される機会がなかった古代美術コレクションや、
鴻池朋子さんや森村泰昌さんといった、
現代美術家らとのコラボ展 “ジャム・セッション” から生まれた作品も蔵出し。
まさに、サブタイトルの 「古代美術、印象派、そして現代へ」 通りの展覧会です。
さらには、石橋財団の理事長であった石橋幹一郎と関わりの深い、
中国人画家ザオ・ウーキーの大作 《無題》 の実に14年ぶりとなる公開や、
新たにコレクションに加わったばかりの 《鳥獣戯画断簡》(※) の初披露など、
(※高山寺が所蔵する国宝 《鳥獣戯画》 甲巻のもと一部であったもの)
とかく話題の事欠かない展覧会となっています。
アーティゾン美術館が本気を出してきた。
そう強く実感させられる展覧会でした。
なお、70の歴史を振り返る展覧会ゆえ、石橋正二郎の欧米外遊記録や、
開館より今なお続いている土曜講座の記録といった資料の展示も多くなっています。
圧巻だったのは、過去に開催された展覧会ポスターを一挙展示したコーナーです。
これまでに、こんなにも多くの展覧会が開催されたという事実に、ただただ驚き。
展覧会の内容や、ポスターそのものデザインなど、
一つ一つ見入ってしまうくらいに、興味深かったです。
ただ、あまりにじっくり見入ってしまったがために、
アーティゾン美術館的には触れられたくないであろうもの発見してしまいました。
それは、1955年に開催されたという “旧福島コレクション展” のポスター。
その左上には、『最初にして最後 見おとせぬ展観 世界的コレクション』 とあります。
しかし、その11年後に・・・・・・
しれっとまた“旧福島コレクション展” が開催されていました。
「最初で最後」 じゃなかったんかい!
もう時効でしょうが、JARO案件です (←?)。
ちなみに。
アーティゾン美術館コレクションの1軍メンバーを、
改めて鑑賞していて、新たに気付いたことがありました。
それは、マネの 《自画像》 に関して。
これまで気に留めたことが無かったのですが、
なにげなくマネの手元を見てみたところ、どうしても気になってしまったことが。
ポケット小っちゃくね?!
全然、手が収まりきってないじゃん。
てか、そもそもポケットの位置が下すぎる気がします。
それから、重要文化財の藤島武二作 《天平の面影》 も、
なにげなく見ていたところ、やはりどうしても気になってしまったことが。
おとなしそうな顔立ちなので、
パッと見は気にならないのですが、
冷静に考えると、かなり胸元が大胆に開いています。
IKKOさんの衣装くらいに開いています。
どんだけ~。