架空の深夜ラジオ番組。
『アートテラー・とに~の"画家よ聞いてくれ"』。
DJを務めるアートテラー・とに~のもとには、
毎回、美術界の巨匠たちからメールが届くそうな。
さぁ、そろそろオンエアが始まるようですよ。
こんばんは。アートテラーのとに~です。
さぁ、始まりました 『アートテラー・とに~の"画家よ聞いてくれ"』。
画家の皆さま、今夜も最後までお付き合い頂けたら幸いです。
なんだかんだで、久しぶりの放送になってしまいましたね。
ラジオのレギュラー番組を持ってみたい!
そんな願望から始まったこの番組ですが、
おかげさまで Podcastの 『そろそろ美術の話を…』 は好調ですし、
昨年の秋より、TBSラジオの 『たまむすび』 で月1レギュラーになりましたし。
リアルのほうが充実しているので、すっかりこっちの存在を忘れていました (笑)
楽しみにしてくださっていた画家の皆様、本当に申し訳ありません!
久しぶりということもあって、皆様に一つご報告することがありまして。
えー、なんと、ここ最近、アートテラーの弟子ができました。
サンミュージックのタレントの國領浩子さんという方です。
「弟子にしてほしいです!」 というその熱意に打たれました。
なので、師匠になりました。師匠って、柄じゃないのに (笑)
さて、というわけで、今夜のメールテーマは、『私の師匠or私の弟子』。
皆さまの師匠や弟子にまつわるエピソードをお寄せくださいませ。
早速、メールを読んでいきましょう。
まずは、フィレンツェにお住いの、
ラジオネーム 「リトルトゥース的人体図」 さんです。
「とに~さんこんばんは」
こんばんは。
「私には可愛い弟子が何人もいます。
その中でも特に可愛いのが、ジャン・ジャコモ・カプロッティです」
本名出しちゃっていいんですか (汗)?
「あまりにも可愛いので、“サライ” って呼んでます」
サライって確か、“小悪魔” って意味でしたっけ。
小悪魔的な可愛さってことですかね??
「サライは、私の財布からお金を盗んだり、貴重品を盗んだり。
息を吐くように、嘘を吐きます」
・・・あ、文字通り、悪魔みたいなヤツなんですね。
「サライの巻き毛はとても美しく、
絵のモデルにも何度もなってもらいました。
彼に嫌われたくないので、靴とか服とか、よくプレゼントしています。
サライが弟子になった1年目には、靴を24足も買ってあげました」
完全に貢いでますね・・・。
しかし、24足って多すぎません?
「いつか私が死んだら、サライに、
所有しているワイン畑の半分をあげようと思っています」
溺愛ですね。
そんな 「リトルトゥース的人体図」 さんのからのリクエスト曲です。
加山雄三&谷村新司で、『サライ』。
どんだけサライが好きなんだ。
続いてのメールですね。
江戸にお住まいの 「猫は懐で丸くなる」 さんです。
「富井?鳥居?
まぁ、どっちでもいいけどよ。いつも放送聴いてるぜ」
あ、富井でも鳥居でもなく、とに~です。
「おいらには何人も弟子がいるんだけどよ。
そん中でも一番の問題児が、芳宗ってヤツだな」
そうなんですか。
「弟子よりも猫のが多いんじゃねぇか、
っつうくらいに、ウチには猫が多くいるんだわ。
んでな、猫が亡くなると、不憫でなんねぇからよ。
そのたびに、芳宗にお布施渡してな。
両国の回向院で弔ってもらうよう頼んでたわけだ」
今でこそペット霊園は普通になりましたけど、この当時は珍しかったでしょうね。
「そしたら、こないだ、あの野郎。
こんだけお布施があれば女遊びが出来るって思ったらしくてよ。
猫の亡骸を、両国橋から捨ててな。
おいらが渡した金で床屋と銭湯で身だしなみを整えて、
飯食って、そんで、近くの遊郭で朝まで遊んだらしいんだわ」
最悪な弟子ですね!
「そんで、翌日、あいつは何食わぬ顔して帰ってきたんだわ。
ただ、その顔観て、おいらはピンと来たね。
こいつ回向院には行ってねぇぞって。
そこで、おいらはこう聞いたわけだ。
「ご苦労だったな。ところで、猫の戒名は何になったんだ?」
そしたら、あいつ何も答えられず、顔が真っ青になってたわ。
それで破門よ」
それは破門されて仕方がないですね。
「まぁ、その後な、やっぱり弟子にしてくれって泣きつかれてな。
だから、弟子に戻してやったけど」
優しい師匠ですね。
「それからも、あいつはいろいろやらかしたから、結局、10数回は破門したな」
10数回?!
もうどっちもどっちのような気がしてきましたけど。
えー、そんな 「猫は懐で丸くなる」 さんからのリクエスト曲です。
DREAMS COME TRUEで 『何度でも』。
「猫は懐で丸くなる」 さんと、
弟子との関係性を浮かべながら、
曲を聴くと、なんかグッとくるものがありましたね。
さて、もう一通メール読みましょう。
フランスにお住いの 「すみれの花束つける頃」 さんです。
「とに~さん、こんばんは」
こんばんは。
「とに~さん、ちょっと聞いてくださいよ!」
はい。何でしょう?
「私の師匠というか親友というか同志というか旦那の兄というかマネって画家がいるんですけど」
はいはい。
「私がサロンに出品しようとしていた絵があるんですね。
《モリゾ夫人とその娘ポンティヨン夫人》 っていう。
それを出品する前に、マネさんに見せたら、
色使いが気に入らなかったのか、いきなり筆を入れられたんです」
えっ、それは最悪ですね!
「気づいたら、すっかり夕方になってて。
私の作品、どうなったんだろうと思って見たら、
最高に素敵なカリカチュア(戯画)ができてました」
最高に素敵な皮肉ですね (笑)
「マジで信じらんない!
この絵が入選するくらいなら、
川に身を投げたほうがマシです!
とに~さん、これってムカつきますよね」
それはムカつきますねぇ。
いくら師匠とはいえ、弟子の絵に、
それもサロンに出展する作品に勝手に加筆しちゃダメですよ。
「すみれの花束つける頃」 さんには、
番組特製ステッカーを送りたいと思います。
これで少しは機嫌を直してくださいね。
リクエスト曲は、米米CLUBの 『ア・ブラ・カダ・ブラ』 です。
「俺色に染まれ」 って歌詞が、
最高に素敵な当てつけになってましたね (笑)
といったところで、
そろそろお別れの時間がやってきたようです。
またの日にお会いいたしましょう。さようなら。
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