ケツメイシに、いきものがかりに、森山直太朗に。
一時期は、いろんなアーティストが、
桜をタイトルにした曲を発表していましたが。
ここ数年、桜をテーマにした曲はめっきり減ったような気がします。
そんな中、イギリスを代表する現代アーティスト、ダミアン・ハーストが、
桜をテーマに制作した最新作を発表する展覧会が開催されるというニュースが飛び込んできました。
展覧会のタイトルはズバリ、“ダミアン・ハースト 桜”!
本展で紹介されているのは、ダミアン・ハーストの 「桜」 シリーズ。
昨年パリの展覧会で初公開されたばかりの新作シリーズです、
ハースト自身が「桜」 シリーズから選んだ24点が、
国立新美術館の白い天井高の会場に咲き誇っていました。
どの作品も実物大くらいに巨大画面なのですが、
とりわけ大きかったのが、縦5m横7m超えの 《この桜より大きな愛はない》。
本展のトリを飾る作品です。
さて、ダミアン・ハーストといえば、
縦に真っ二つに切断された牛と子牛をホルマリン漬けにした作品が有名ですが。
白いキャンバスにカラフルなドットを規則的に配置した、
いわゆる 「スポット・ペインティング」 シリーズでも知られています。
この作品も近づいて観てみると、
ドットのようなものが多々ありました。
つまりは、「スポット・ペインティング」 の派生版、最新版といったところです。
《詩人の桜》 やら 《幻想的な桜》、《生命の桜》、
《漢字桜》、《大切な時間の桜》 など、さまざまなタイトルの桜がありましたが。
個人的には、どれも同じような桜の絵にしか見えず (笑)
というか、桜と言われてみれば、桜ですが、
ポロックを彷彿とさせる抽象画のようにも思えます。
どれだけじーっと見つめてみても、
ハーストがどんな想いを込めて制作しているのかわからないので、
展覧会場の奥で上映されているインタビュー映像を観に行ってみることに!
すると、そこにはすでに大量の人がいました。
例の 「桜を見る会」 くらいの数の人がいました。
きっと、ここにいる全員、僕と同じく、
「桜」 シリーズを観て、頭に?マークが浮かんだので、
ハーストのインタビュー映像に助けを求めにきたのでしょう。
自分も含め、救命ボートに群がる遭難者のような感じになっていました (笑)
ちなみに。
ハーストは、「桜」 のシリーズを、
『美と生と死についての作品』 と語っているのですが。
正直なところ、「誰が誰に語っとんねん!」 と思ってしまいました (笑)
こちとら何年日本人をやってると思っているのか。
ここ数年、桜を描き始めたハーストと、毎年、桜を愛でている日本人。
桜への想いが強いからこそ、
彼の描く桜に、若干の物足りなさを感じてしまいました。
(日本人画家の描いた桜の名画もこれまでにたくさん目にしていますし)
フランスでは展覧会はウけたようですが、
桜の本場、日本の人々の心を掴めるのでしょうか・・・。
桜ということを抜きにすれば、
色合いは純粋に美しく、大画面で迫力も感じられました。
パッと咲いて (=すぐに感動が押し寄せて)、パッと散る (=秒で満足が得られる)。
まさしく、桜のような展覧会です。