現在、東洋文庫ミュージアムでは、
“シルクロードの旅展” が開催されています。
東洋と西洋とを結ぶ交易路。
それが、シルクロード。
歴史の授業で学んで以来、
当たり前のように、その名は知っていましたが。
改めて考えてみると、結局のところ、
どのルートが、シルクロードなのでしたっけ?
実は、シルクロードは一本の道ではなく、
ユーラシア大陸を網の目のように結んでいたのだそう。
アッピア街道とか東海道のような道路ではなく、
交易路のネットワーク全般を指す言葉なのだそうです。
知りませんでした (汗)
知らなかったといえば、シルクロードという言葉も、
元からあったわけでなく、19世紀後半から使われ始めたのだそうです。
ドイツの地理学者リヒトホーフェンが、
「ザイデンシュトラーセン」(ドイツ語で 「絹の道」) と呼んだのが、きっかけだとか。
さらに、それを広めたのが、リヒトホーフェンの弟子、
スウェン・ヘディンによって1938年に発刊された 『The Silk Road』 です。
と、このように知ってるようで、
実は意外と知らないシルクロードにスポットを当てたのが本展。
東洋文庫が所蔵するコレクションの中から、
シルクロードにまつわる貴重な作品を紹介するものです。
とりわけ興味深かったのは・・・・・
ソグド人なる民族に関する資料の数々。
実は、ソグド人は、シルクロードの交易の主役ともいうべき存在だったそう。
紀元前後から10世紀頃まで、およそ1000年にわたって、
東西貿易に従事する商人として優れた才能を発揮していました。
今ではすっかり歴史の表舞台から消えていますが、
ここ近年、そんなソグド人の存在に注目が集まっているとのこと。
ソグド人に関する資料をまとまった形で、
日本で観られるのは、おそらく今回が初の機会なのでは?
なお、ソグド人の活動の範囲は広く、
少なくとも8世紀には来日しているのだそう。
本展では仏教伝来に関する資料も紹介されていますが、
もしかしたら、これらにもソグド人が関わっていたのかもしれません。
ちなみに。
日本に仏教をもたらしたシルクロードですが、
西洋の宗教・文化もシルクロードを通じて、仏教に大きな影響を与えていたのだそう。
それがわかるのが、スタインという考古学者による報告書 『セリンディア』。
彼が現在のウイグル自治区にあるミーラン遺跡を調査した際に、
仏教寺院の壁画に古代ローマ風の天使像があることを発見したのだとか。
その天使像が、こちら↓
翼の形状とか、なで肩具合とか、
気になるところは多々ありますが。
一番気になるのは、そのヘアスタイル。
なんかエクレアみたいなの乗ってますけど。
あと、ウェーブがかったもみあげもありますけど。
また、キリスト教の一派、ネストリウス派は。
7世紀前半には中国に伝わり、景教と呼ばれるように。
その景教の文書に登場するキリストは・・・・・
キリストとブッダがフュージョンしたような姿で描かれていました。
5:5というよりは、キリスト2:ブッダ8。
ちなみに。
普段はオリジナルの音楽が流れているこの 「回顧の道」 ですが。
シルクロードがテーマの展覧会ということで、
現在は、喜多郎さんの 『絲綢之路』 が特別に流れています。
やはりこの曲を聴くだけで、
シルクロード感が3割アップしますね。