今年1月末、約2年8か月ぶりに、
リニューアルオープンを果たした白金台の松岡美術館。
その再開記念展として、先日まで、
“松岡コレクションの真髄”が開催されていましたが。
4月26日より、3会期連続で、
『出会い』をテーマにした企画展が開催されるそうです。
その第一弾として現在開催されているのが、
“松岡コレクション めぐりあうものたち Vol.1”という展覧会。
松岡美術館の創設者、松岡清次郎自身が出合い、
蒐集した約2400点のコレクションを3つのキーワードで紹介するものです。
まず一つ目のキーワードは、「故きを温ねて」。
こちらで紹介されているのは、日本画の数々。
中でも、中国の故事や歴史上の人物を題材にした作品、
古くから親しまれてきた吉祥をモチーフにした作品がフィーチャーされています。
数ある日本画の中で一番印象に残ってるのは、
狩野派最後の画家・橋本雅邦による《諸葛亮読書図》。
描かれているのは、諸葛亮。
またの名を、諸葛孔明です。
何よりも気になったのが、頭上のアレ。
一般的な諸葛孔明像は、
綸巾(かんきん)という帽子を被っていますが。
橋本雅邦作の諸葛孔明は・・・・・・
きゃりーぱみゅぱみゅの衣装みたいなのを被っていました。
いや、そもそも被っているのか?
どういう仕組みで頭に乗っているのか謎も謎。
お世辞にも似合っていないですが、パリピ感はアップしていました。
さてさて、二つ目のキーワードは、「中国青銅器 形と用途」。
これまであまりまとまった形で公開される機会がなかったという、
中国古代の青銅器コレクションを、形や用途にフォーカスしつつ紹介しています。
中国青銅器自体は、他の美術館でも何度か目にしていますが、
そういえば、そこまで用途について深く考えたことがなかったような。
例えば、こちらの匜(い)。
一体何に使うものなのでしょう?
もしや、カレーを注ぐポットかと思いきや、
祭祀の時に、水を注いで手を清浄するのに用いる道具とのこと。
注ぐ、という点では、近からず遠からずでした。
なお、今展のハイライトともいうべきは、
展示室4で開催中の“二色(ふたいろ)の美”。
松岡コレクションの中核をなす中国陶磁コレクションから、
磁州窯と景徳鎮窯の作品を中心に、ツートンカラーの陶磁器を紹介するものです。
一口に、ツートンカラーといっても、
その色の組み合わせは、実にさまざま。
白と黒のシックなトーンのものもあれば、
青と赤を組み合わせたアヴァンギャルドなカラーのものも。
さらには、青と白のコントラストが美しい、
松岡コレクションの至宝《青花龍唐草文天球瓶》も特別出展されていました。
なお、《青花龍唐草文天球瓶》以外にも、
出展作品には龍が描かれたものが、なぜか意外と多かったです。
しかも、さらになぜかゆるキャラっぽいものが多かったです。
《紅彩雲龍文鉢》の龍にいたっては・・・・・
イカみたいな頭をしていました。
スプラトゥーンのキャラクターのよう。
ちなみに。
ヘンテコな龍も多かったですが、
ヘンテコな鳳凰もちらほらいました。
パーツのバランスがいちいち変。
頭が大きいのか。
翼が小さいのか。
胴体が寸詰まりなのか。
はたまた、尾っぽが異常に長いのか。
鳳凰のせいで、目立たないですが、雲も地味に変です。