本日ご紹介するのは、今都内で、
もっとも人が入っているかもしれない展覧会。
世田谷文学館で開催中の“ヨシタケシンスケ展かもしれない”です。
現在予約受付中の土日のチケットは、すでに完売。
平日でも、会場はお客さんでいっぱい。
グッズコーナーはもっと人が密集し、ご覧の有様です。
こんなにも人気の“ヨシタケシンスケ”とは何者なのか?
初めてその名を聞いたかもしれない方のために、簡単に説明しますと、
ヨシタケさんは2013年に『りんごかもしれない』でデビューした絵本作家です。
以降、出版する絵本が次々にヒット!
子どもから大人まで、幅広い層から支持を集めています。
そんなヨシタケさんの初の大規模展覧会です。
クスっと笑えるユーモアが持ち味のヨシタケさん。
それだけに、展覧会は彼の頭の中を、
そのまま具現化したかもしれないような、
ユーモラスな空間に仕上がっていました。
体験型の展示があったり。
いろんな“かもしれない”があったり。
なお、出展作品は、実に400点以上!
それらの中には、もちろん絵本の原画もあります。
「あれ?原画は色が付いてない!」と思ったら、
ヨシタケさん曰く、色付けが大の苦手で、着色はデザイナーに任せているとのこと。
それゆえ、購入したものの10年近くほぼ使っていないカラーマーカーも展示されていました(笑)
また、絵本作りの根幹ともいうべき、
アイディアスケッチも惜しげもなく大公開しています。
実物とともに、読みやすいよう、拡大したものも展示されていました。
なお、アイディアスケッチの実物は、
ジップロックの中に入れて展示されています。
なんと斬新なアイデアなのでしょう!
さらに、今回の展覧会では、
絵本作家としてのヨシタケ氏だけでなく、
絵本作家になる前のヨシタケ氏にもスポットが当てられていました。
絵本作家になる前から、ミニ6穴サイズの手帳に、
思いついたアイディアを書き溜めていたというヨシタケ氏。
その1万枚を超えるアイディアスケッチのうち、
約2000枚が複製され、壁一面に展示されています。
パッと見は、インスタレーション作品のように思えるかもしれないことでしょう。
その量は圧巻も圧巻!
すべてに目を通していたら、日が暮れてしまうかもしれない。
いや、確実に日が暮れてしまうと思います。
ちなみに。
ヨシタケ氏は絵本作家になる前、
造形作家として活動していたのだとか。
その時代に制作した作品も、会場のいたるところに展示されていました。
例えば、こちらは《ぶくぶく観音》。
子どもの頃に誰しもが経験あるかもしれないストローぶくぶく。
その姿を観続けていると、
あのころの気持ちを思い出せるかもしれないですね。
また例えば、こちらは《ハンガーなで肩》。
確かに、世の中のハンガーは、すべていかり肩です。
こういうハンガーがあってもいいかもしれないですね。
いや、使い勝手が悪すぎて、すぐに処分するかもしれないです。
そして、こちらはカブリモノシリーズ。
大学時代に制作したものだそうで、
学生時代はこれらを被り、パフォーマンスをしていたそうです。
昔からユーモラスな方だったのですね。
そして、昔からカタカナ表記が好きだったのですね。
ちなみに。
見どころ満載の展覧会のラストを飾るのは、こんなコーナーでした。
何やら楽しそうな予感がしますが、
大概、こういうコーナーは気休め程度のものです。
半信半疑で1枚引いてみたところ、こんなん出ましたけど。
身体の硬さには定評のある僕。
ということは、この結果通り、
今の時点では、身体が柔らかくないわけで。
もしかしたら、本当に未来を予言するコーナーなのかもしれない!