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Film:61『ジュゼップ 戦場の画家』

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■ジュゼップ 戦場の画家

 

監督:オーレル

脚本:ジャン=ルイ・ミレシ

声の出演:セルジ・ロペス

2020年製作/74分/G/フランス・スペイン・ベルギー合作

 

1910年にバルセロナで生まれ、

95年にニューヨークで没した実在の画家ジュゼップ・バルトリの人生を描いた長編アニメーション。

1939年2月、大勢のスペイン共和党員がフランコの独裁から逃れてフランスにやってくる。

フランス政府は政治難民となった彼らを収容所に押し込め、冷遇する。

そんな中、収容所を監視するフランスの憲兵と、

難民の中のひとりの絵描きの間に、有刺鉄線を超えて友情が芽生える。

(映画.comより)

 

 

「まず何よりも、この映画を通じて、

 初めてジュゼップ・バルトリという画家のことを知りました。

 今日の今日まで彼のことを知らなかったということは、

 よっぽど平々凡々な人生を歩んだ芸術家だったのだろうと思いきや。

 むしろその逆で、実に波乱万丈な人生を歩んだ芸術家でした。

 しかも、あのフリーダ・カーロの愛人でもあったとのこと。

 さらに、ポロックやマーク・ロスコとも深い交流があったとのこと。

 世の中には、まだまだ知られざる芸術家がいるものなのですね。

 

 それから、知らなかったといえば。

 第2次世界大戦時、スペイン内戦による難民の強制収容所が、

 フランスにあったということも、この映画で初めて知る事実でした。

 ナチスの強制収容所にも匹敵するほどに、

 人権を無視した劣悪で残酷な環境だったようです。

 

 さてさて、この映画で中心的に描かれるのは、

 そんな収容所で ジュゼップが過ごした日々です。

 のちに、ジュゼップは収容所を脱出し、メキシコへと亡命しました。

 そこで出版したのが、『Campos de Concentracion 1939-1943』。

 収容所での日々を克明に描いたイラスト集です。

 印象的なのは、本編中にそのイラスト集のカットがちょくちょく差し込まれること。

 イラストだからまだ見れなくないですが、

 できれば眼を背けたくなるものばかりです。

 収容所での生活を描いた作品と言えば、

 日本人画家では、香月泰男が有名ですが、

 スペインにも、香月泰男的な人物が存在していたのですね。

 月並みですが、改めて戦争の悲惨さ、

 戦争によって本性が明らかになる人間の愚かさを、

 全編を通じて、実感させられたように思います。

 

 とはいえ、この映画は終始辛いトーンではなく、

 ジュゼップに心を開くフランスの憲兵との友情が、

 映画の大きな軸となっているので、ちゃんと救いがあります。

 ラストシーンも、ほっこりとさせられました。

 

 と、内容は良かったのですが。

 日本のアニメーションに慣れ過ぎてしまっているからでしょうか。

 アニメとしての動きのぎこちなさが、

 気になってしまい、本編がなかなか入ってきませんでした。

 たまに、GIFアニメみたくなってましたし、

 『紙兎ロペ』くらいの動きのときもありました。

 あと、声優のクオリティも日本と比べると・・・・・・・。

 わりと重要な役回りの少年の声が、

 少年感が無く、終始違和感を覚えていました。

 ホットペッパーのCMのアテレコくらい違和感がありました。

  スター スター 半分星ほし ほし (星2.5つ)」

 

 

~映画に登場する名画~

 

 

 

 


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