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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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藤田美術館リニューアルオープン

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根津美術館に五島美術館に静嘉堂文庫美術館に、
財界人のコレクションを核とした美術館が東京には数多くありますが。
大阪を代表する財閥系美術館に挙げられるのが、藤田美術館。

関西No.1と謳われたコレクター・藤田傳三郎と、
その息子らの収蔵品を公開するために昭和29年に開館した美術館です。

国宝9件、重要文化財53件を含む約2,000件を所有する、

日本でも屈指の東洋美術のミュージアムではあったものの、

建物の老朽化により、2017年6月から長いこと休館となっていました。

 

そんな藤田美術館が今年4月1日に、建物も新たにリニューアルオープン。

かつての藤田美術館は藤田家邸宅の蔵を改装したものでしたが、

ガラス張りの解放感溢れるスタイリッシュな建物に生まれ変わっていました。

 

 

 

外観はまったく、以前の面影なし!

何も知らずに数年ぶりに訪れたとしたら、

これが藤田美術館とは思えず、辺りをウロウロしてしまうことでしょう。

 

ただ、外観こそ思いっきり変わってしまいましたが、

旧藤田美術館で使われていた扉や梁などの部材は、

展示室内など美術館のいたるところに用いられています。

かつての美術館の入り口も、ご覧の通り、展示室の入り口に↓

 

 

 

旧藤田美術館時代の面影を、

ちゃんと感じることができるようになっています。

もちろん、藤田美術館の見どころの一つ、

多宝塔が印象的な日本庭園も、あの頃のままです。

 

 

さて、そんな新生・藤田美術館では、

4つある展示室のうち3室それぞれを使って、

常に3つのミニ展覧会が開催しているようです。

1つの展覧会の会期は、ちょうど3か月。

毎月1日に新しい展覧会が始まり、

毎月月末に何かしらの展覧会が終ります。

つまり、毎月訪れても、常に何かしら違う、

展覧会が楽しめるようになっているというわけです。

 

 

 

ちなみに。

現在開催されている展覧会のうちの一つが、“花”

 

 

 

国宝の《仏功徳蒔絵経箱》を筆頭に、

 
 
 
花が描かれた作品の数々が紹介されています。
中には、伝紀貫之《寸松庵色紙》のように、
 
 
 
花そのものは描かれていなくとも、
桜のある情景を詠んだ歌が登場する色紙も紹介されていました。
 
 
また、個人的に興味深かったのは、
“獣”と名付けられたワイルドな展覧会です。
ただ、展示品の動物たちはそこまでワイルドでなく、むしろ愛嬌がありました。
 
 
 
「頼むから降りてくれません?」
そう目で訴えているようにしか見えません。
 
なお、紹介されていた動物の中には、こんなパターンも。
 
 
 
こちらは、本阿弥光悦柵の白楽茶碗。
その銘は「白狐」とのことです。
丸みを帯びていて貫禄がある感じとか、
カサカサしたテクスチャーの雰囲気とか。
「白象」のような印象がありますが、
これからも、この白楽茶碗は「白狐」でお願いいたします。
 
 
さてさて、こればかりは仕方がないのですが。
個人的にはやはり、藤田美術館の至宝で、
国宝の《曜変天目茶碗》は是非観たかったところ。
事前にHPをチェックし、出品されていないことは知っていましたが、
それでも、「もしかしたらワンチャンあるかも?」と淡い期待はしてしまいました。
星星
 
 
最後に。
展覧会をたっぷりと観た後は、
開放的なエントランススペース(通称、土間)にある・・・・・
 
 
 
「あみじま茶屋」で一休み。
パッと見は、受付やチケットカウンターのようですが、
美術館としては珍しい、オープンキッチン形式のカフェです。
ワンコイン(500円)で頂ける「だんごセット」が大人気。
 
 
 
お茶は、煎茶・番茶・抹茶から1種類が選べます。
抹茶を選ぶと、自分で泡立てることも可能です。
(スタッフの方がやり方を丁寧に教えてくれます。
 もちろん、スタッフの方にやってもらうことも可能)
せっかくなので、人生で初めて、茶筅で抹茶を立ててみました。
初めてにしては、結構なお点前で(←自画自賛)。
 

 

 


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