今週末まで、高崎市美術館で開催中の展覧会、
“つくる展―TASKOファクトリーのひらめきをかたちに―”に滑り込んできました。
こちらは、「21世紀型総合アートカンパニー」にして、
「ニューものづくり工場」でもある2012年結成のものづくりのプロ集団、
TASKO(タスコ)の初あとなる大規模展覧会です。
タコスと空目しがちですが、タスコ。
くれぐれもお間違えの無いようお気を付けくださいませ。
ちなみに。
コアメンバーの4人は、
アートユニットの明和電機に所属していたのだそう。
それだけに脱力系のマシーンが多数展示されていました。
赤く四角い風船が、下からの風力で浮かび続ける作品だったり。
磁力によってピンポン玉が不思議な軌跡を描くマシーンだったり。
懐かしのおもちゃ、レインボースプリングがひたすらグルグル回るマシーンだったり。
はたまた、壁面に無数に植え付けられた造花が、
引っ込んだり飛び出たりを繰り替えすだけの作品だったり。
えてして、こういうタイプの作品が、美術館に展示されている時は、
そのシンプルな仕掛けとは裏腹に、ボーッと見続けられるものですが。
(それだけ、不思議と惹きつけられるものですが)
ちゃんと1、2分で見飽きてしまいました(笑)
何ででしょう??
想像の範囲内と言いましょうか。
この手のものを、かつて科学館か何かで、
見たことがあるような気がすると言いましょうか・・・。
光の三原色の仕組みを体験できる体験型作品や、
脚でマットを踏むと音が鳴り、光を放つ作品なんかもあったのですが。
どこか既視感が拭えなかったです。
タスコのこれまでの仕事を紹介するベスト展覧会というよりは、
タスコが“夏休みの子ども向けのよくある展覧会”をつくってみた、という感じでした。
とはいえ、もちろん中には面白い作品もあります。
個人的に一番感銘を受けたのが、《パフューマリー・オルガン》です
音に高さ低さがあるように、香りにも軽い重いという表現があります。
19世紀イギリスの化学者で調香師だったセプティマス・ピエスは、
そんな香りの記述方法として「香階」を発案し、音階と対応させたそうです。
例えば、「ド」の音は「ローズ」の香りと対応するといった具合に。
そんな香階を本当に体験できるのが、こちらのマシーン。
鍵盤を押すと、対応する香水の瓶が開き、
音だけでなく、香りも空間に広がるようになっています。
なお、鑑賞者は実際に鍵盤に自由に触れられますが、
毎時0分と30分に、オルガンが自動演奏されるようになっていました。
とても素敵な音色でしたが、
この音の数だけ香水が広がるので、
約5分の演奏が終わった時には、会場は香水の香りで充満。
いろんな香りが混ざりすぎていて、
もはや何の匂いかわからないくらいでした(笑)
ちなみに。
もう一つ印象的だったのは、《ししおどし?!》という作品です。
ピタゴラ装置風のししおどし。
実際のししおどしは、溜まった水の重みで音が鳴る仕組みですが。
この《ししおどし?!》は、水の代わりに鉄球が溜まります。
で、一定の重みを超えると、こうなります。
この一連の動きは、不思議とボーッと見続けられました。