ちょっと前に、いろいろあって、
美術界をザワつかせたアーツ前橋に行ってきました。
(何があったかは「ネット見ろ!」です)
もともとは、西武リヴィンという総合スーパーの建物だったそうですが。
全面的に改修されたのち、2013年に、
アーツ前橋としてグランドオープンしました。
ちなみに。
立体駐車場に見える部分は、本当に立体駐車場です。
これだけ立派な立体駐車場を併設した美術館は、
おそらく世界広しといえども、アーツ前橋だけなのでは?
ちなみにちなみに。
屋上看板に空の写真がありますが、
こちらはミラノ在住の作家・廣瀬智央さんによるアート作品です。
この作品以外にも、館の内外に、
数名のアーティストによる作品が常設されています。
さて、そんなアーツ前橋で現在開催されているのは、
“Art Meets 07 後藤朋美/田村尚子”という展覧会です。
“Art Meets”は、アーツ前橋にて、
年1回のペースで開催されているという、
中堅アーティストの活動を紹介する2人展。
第7回となる本展で紹介されているのは、
前橋市出身の後藤朋美さんと、京都をベースに活動する田村尚子さんです。
後藤朋美さんは、国内外の旅や滞在を通じて、作品を制作するアーティスト。
本展では、日本各地の海水から採取した塩を用いた砂時計や、
塩や植物などを人間の臓器に見立てて配置した作品が紹介されていました。
後藤さんの作品の中で特に印象に残っているのは、
地下のギャラリーを使って展示されていた映像作品です。
タイトルは、《触れることができる間に》。
地下のギャラリーには入ることができなかったため、
吹き抜けから見下ろすように、映像を鑑賞することになります。
映像自体は、なんとも幽玄的な印象で、
どこか消えてしまいそうな、儚さがありました。
と、ふとプロジェクターの先に目をやると・・・・・
そこには、巨大な氷の塊が置かれていました。
なるほど。この氷の塊を通して映し出された映像だったのですね。
消えてしまいそうな、儚さを感じたのは、そのためだったのかもしれません。
一方、田村尚子さんは、
曖昧な空気を写真で捉えるアーティスト。
本展では2000年代の作品から最新の映像作品までが紹介されています。
個人的に一番印象に残っているのは、
《La Borde-portlait》と名付けられたシリーズ。
淡く優しい光に包まれた光景で、
郊外でピクニックでも楽しむ男女を映したものかと思いきや。
パリから車で2時間、森の中にひっそりと佇む精神病院、
ラ・ボルド病院を長年に渡って取材し、撮影したシリーズとのこと。
一般的な精神病院のイメージと違って、
明るく開放的で、心地よい雰囲気が伝わってきました。
何も知らずに、このシリーズを見た際の第一印象が、
「なんかボラギノールのCMっぽい!」だったのは、ここだけの話です。
それぞれの作家の作品の雰囲気と、
2人の作家のマッチングは、非常に良き。
それだけに、ただ一つ残念だったのが、
作品についての説明が一切なかったこと。
コンセプチュアルな作品が多かっただけに、
簡単でいいので、そういった解説は欲しかったです。
もしかしたら、用意していた解説も紛失してしまったのでしょうか。
最後に、余談ですが。
ミュージアムショップで販売されていた、
気になるトートバッグをご紹介いたしましょう。
パリ、ニューヨーク、ロンドンと来て、最後に群馬。
こんなことを言うのはなんですが、過大評価しすぎですよ。
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