トーキョーアーツアンドスペース本郷。
通称、TOKAS本郷に行ってきました。
TOKAS本郷(旧トーキョーワンダーサイト)自体は、2001年に創設されましたが。
建物の外観を見るに、それ以上の築年数を感じます。
それもそのはず。
この建物は、昭和3年に職業紹介所として、
東京都(当時は東京市)によって建設されたもの。
もうすぐ築100年を迎える歴史的な建造物です。
さて、そんなTOKAS本郷で開催されているのが、
“TOKAS Project Vol. 5 「ひもとく」”という展覧会。
TOKAS Projectとは、国際的な交流を促進し、多文化的な視点を通じて、
アートや社会など、さまざまなテーマについて思考するプロジェクトとのこと。
その5回目となる本展は、台北国際芸術村(TAV)とのコラボ企画です。
TOKAS本郷とTAVが交流するようになって、今年でちょうど15周年。
そのレジデンスプログラムに関わった作家の中から、
チェン・イーシュアン(陳以軒)さん、チェン・ユウェン(陳 郁文)さんら5人が参加しています。
特に印象的だったのが、2階の展示室。
こちらでは、橋本仁さんとシュウ・ウハン(周武翰)さんが共に、
台湾の日本統治時代に建てられたという「高橋邸」をテーマに作品を制作。
空間全体を使ったインスタレーション作品のようになっていました。
なお、床に敷き詰められていたのは、
昭和10年当時、日本統治下の台北市の地図です。
無料の展覧会なので、
それも、本郷という、周りにアートスポットがあまり無いエリアでの開催なので。
ちょっとした感じの展覧会を想像していましたが、
細部まで作り込まれた実に見ごたえのある展覧会でした。
いい意味で、予想を裏切られた展覧会です。
また、建物自体も・・・・・
昭和初期のステンドグラス(おそらく)が残っていたり、
左官職人の久住章さんによって改修されたさまざまな壁や床があったり、
随所に見どころが溢れていました。
現代アート好きだけなく、
建築好きにもオススメのスポットです。
最後に、1階の展示室で紹介されていた、
ルー・チーユン(盧之筠)さんの作品をご紹介いたしましょう。
ルーさんは滞在をきっかけに東京に移り住み、
現在もなお、東京を拠点に活動しているそうです。
さて、天井から何やら、
無数に吊り下がっていますね。
その正体は・・・・・
表面にセメントが塗り付けてある造花でした。
ルーさん曰く、
「ときどき、自分の体が自分のものではなく、
まるで見せ物として吊るされているかのように感じることがある。」
とのこと。
自分自身を投影したものだったのですね。
そう聞くと、造花とはいえ、
途端に生々しく感じられてきました。
床に置かれた《オブジェの唄》もルーさんの作品です。
その表面には工具やスプーンなど、
身近なものの痕跡と無数のヒビが見て取れます。
この作品は乗っても良いと、
受付時に伺っていたので、軽い気持ちで乗ってみました。
と、次の瞬間!
「グシャッ!」というイヤな感触が足元から伝わってきました。
“え!?えええええ!!!??”
作品を壊してしまい、頭が真っ白になりました。
もちろん故意ではありません!
とは言っても、美術作品を踏んで壊したとなると、
「新潟の修学旅行生か!」と、関係各所から白い眼で見られるはず。
ということは、謝罪会見をして、
SNS上で袋叩きにされて、家に石が投げ込まれて、
しまいには、アートテラーは活動休止に・・・。
“あ、俺、完全に終わったな”
一瞬にして、そこまでの覚悟をしました。
が、しかし、どうやらこの作品は、
セメントの下にスポンジがあるようで。
もとから、踏むとグシャッとなるよう作られていたようです。
なーんだε-(´∀`*)ホッ
これからも、アートテラーを続けていけそうです。
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