三菱財閥の第2代社長総帥である岩﨑彌之助と、
息子である小彌太の父子二代によるコレクションを収蔵する静嘉堂文庫。
そのコレクションを公開するべく、1992年に、
世田谷区岡本に、静嘉堂文庫美術館は開館しました
しかし、コレクションの礎を築いた岩崎彌之助本人は、
生前より丸の内というビジネス街にミュージアムをつくる構想を抱いていたのだそう。
そんな彌之助の悲願を叶える形で、
今年2022年、静嘉堂文庫美術館は丸の内に移転!
名前も新たに、静嘉堂@丸の内となりました。
移転先は、丸の内にある歴史的建造物、
昭和の建造物として初めて国の重要文化財に指定された明治生命館です。
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重要文化財 明治生命館 昭和9年(1934)竣工
戦後すぐには、GHQに接収され、
あのマッカーサーが拠を構えた場所としても知られています。
ここ近年、さまざまなミュージアムが、
リニューアルオープンを果たしていますが。
新たなスタートを切る建物が、
おそらく前代未聞のケースなのではないでしょうか。
創建当時のイメージは残しつつも、
築約90年の姿そのままに、オープンを果たしたわけではなく。
竹中工務店によって大規模な改修工事が行われています。
かつてラウンジとして使用されていたスペースは、
ガラス天井が特徴的な吹き抜けのホワイエスペースに。
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この空間を囲むように、全部で4つの展示室が配置されています。
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可能な限り、この建物の竣工当時の姿を残したとのことで。
とある展示室の一角には、
ビールのCMに出てくる大人エレベーターのようなものがありました。
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もちろん、乗ったところで、
超一流の大人に出会えるわけではないし、
そもそも、このエレベーターには乗ることができません。
と、それはさておき。
岡本の静嘉堂文庫美術館と比べて、
展示スペースは、実に1.5倍強になったそう。
よりパワーアップ、スケールアップした展覧会が期待できそうです。
さてさて、そんな静嘉堂@丸の内の、
こけら落としとして開催されているのが、
“響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―”という展覧会。
静嘉堂が所蔵するコレクションの中から、
大和の刀工・包永(かねなが)の代表作と名高い《太刀 銘 包永》や、
日本にあることが奇跡とされる趙孟頫の《与中峰明本尺牘》を含む、
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国宝 趙孟頫《与中峰明本尺牘》 元時代(14世紀)
国宝全7件が惜しげもなく一挙展示されています(注:7件展示は前期のみ)!
国宝がすべて展示されているということはもちろん、
あの速水御舟が感銘を受けたとされる俵屋宗達《源氏物語関屋澪標図屏風》や、
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国宝 俵屋宗達《源氏物語関屋澪標図屏風》 江戸時代・寛永8年(1631)
(注:ただし、展示は10/1~11/6のみ)
世界一美しい茶碗とも評される《曜変天目(稲葉天目)》も出展されていますよ。
岡本の静嘉堂文庫美術館時代から、
幾度となく、この《曜変天目(稲葉天目)》を観ていますが。
何度見ても見飽きるということはありません。
むしろ観る回数を重ねるごとに、
美しさや煌めきが増しているような気さえします。
さらにさらに、展覧会では、
足利義満が入手し、その後、足利義政、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と、
名だたる天下人たちの手を渡った大名物《付藻茄子》も出展されています!
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新生第1弾の展覧会にも関わらず、
“もしや最終回なのでは?”と勘ぐってしまうほど、
静嘉堂のベストメンバーが集結している展覧会でした。
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これら名品の数々が、東京のど真ん中で、
駅から数分のアクセス好立地で観られるだなんて!
静嘉堂@丸の内のこれからに目が離せません。
最後に、個人的に印象に残っている作品をご紹介。
まずは、鈞窯の《澱青釉紫紅班双耳香炉瓶》です。
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色合いが、完全に『モンスターズインク』のサリー。
表面に施された顔も、若干のサリー感があります。
それから、もう一つ印象的だったのが、
中国を代表する詩人、李白による詩文集『太白文集』。
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その見返しに押されていた印が・・・・・
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ナンシー関の消しゴムハンコを彷彿とさせるものがありました。
何をかいわんや。
ちなみに。
丸の内に移転し、パワーアップした静嘉堂。
ミュージアムグッズのラインナップもパワーアップしていました。
その新たなグッズの中には、こんなものも。
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《曜変天目(稲葉天目)》のぬいぐるみとのこと。
5800円(税込)也。
お茶碗のぬいぐるみって何なのさ?!
完全に理解できるまでに、しばし時間がかかりそうです。
┃会期:2022年10月1日(土)~12月18日(日)
┃会場:静嘉堂@丸の内
┃https://www.seikado.or.jp/exhibition/current_exhibition/
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