先日、神戸で1日2公演のお仕事がありまして。
その合間に、特に当てもなく、
神戸の街並みをプラプラしていたところ、
神戸を代表する観光スポット、メリケンパークに辿り着きました。
さすがは、日本屈指のハイソな街・神戸。
パーク内のあちこちに、アートが点在していました。
その中でひときわ目を惹くのが、
いや、目を惹きすぎるのが、こちらの作品です。
高さは22m。
あまりにも大きすぎて、パークの塀から、
ほぼほぼ全身がハミ出してしまっています。
続・無料で観れる美術百選028
フランク・ゲーリー《フィッシュ・ダンス》
作者は、世界的建築家、フランク・ゲーリー。
スペインのビルバオにあるグッゲンハイム美術館や、
パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンなど、数多くの設計を手掛けた、
建築界の生きるレジェンドともいうべき人物です。
巨大な構造物ゆえに、美術作品というよりも、
もはや建築作品ともいうべきこの《フィッシュ・ダンス》。
実は、日本国内にある唯一のフランク・ゲーリー作品なのだそうです。
設計したのは、ゲーリーですが、
国際的に活躍する多忙な彼が付きっきりで監修をするわけにはいかず。
制作の監修に白羽の矢が立てられたのは、なんとあの安藤忠雄さんだったそう。
フランク・ゲーリーも安藤忠雄さんも、ともに、
建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞しています。
そういう意味では、建築界の2トップの奇跡の競作といえましょう。
ちなみに。
引きで見ると、金属製の巨大なオブジェのように思えますが。
実は、近づいて観てみると、
金網の板がたくさん組み合わされているのがわかります。
その数、なんと実に約1300枚。
小さなものが寄せ集まって、
全体的には大きな魚に見える。
まるで『スイミー』のようですね。
ところで、この巨大な魚のモデルは一体何なのでしょう?
その色味からすると、ハイギョ。
その躍動感からすると、ハトヤのCMに出てきた魚のように思えます。
しかし、正解は、鯉とのこと。
なんでも、ゲーリーは幼い頃に、
鯉が泳ぐ様子をよく眺めてたいたそうで、
日本の浮世絵に描かれた鯉にも影響を受けたのだそう。
また、現在は暗渠となっていますが、
かつてこの場所には「鯉川」という川が流れていたそうです。
なるほど。
そう思って改めて観てみたら、鯉に思えて・・・・・・
来ませんでした。。。
シーラカンスだとかピラルクだとか、
生きる化石系の魚にしか思えませんでした。
それでも、鯉は鯉。
<無料で観れる美術 データ>
メリケンパーク
住所:兵庫県神戸市中央区波止場町2
アクセス:○JR「元町駅」より徒歩13分
○阪急神戸高速線「花隈駅」より徒歩8分
○神戸市営地下鉄海岸線「みなと元町駅」より徒歩5分